研究分担者 |
島田 伸敬 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10294034)
三浦 純 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90219585)
久野 義徳 埼玉大学, 工学部, 教授 (10252595)
佐々木 繁 富士通研究所, マルチメディアシステム研究所, 部長(研究職)
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研究概要 |
1.モデルパラメータ範囲の楕円体近似に基づく形状モデル精密化手法について,前年度までの研究で問題となっていた強すぎる保守性を改善するため,パラメータ空間中で任意の方向に対する領域の上界と下界を解析的に求める手法を考案し,コンピュータグラフィクスを用いたシミュレーションで性能検証した.その結果,若干の性能改善をみたが,人体形状の個人差を同定し姿勢推定の誤差を減少させるには不十分な性能であることがわかった. 2.実時間システムを構築するために,前年度作成したLinux OSベースのPCクラスタシステムに実時間で画像をキャプチャできるボードを搭載した. 3.あらかじめ考えられる手指画像を登録し,その中から入力画像にマッチする画像を検索して姿勢を高速に推定する手法について,その時点でベストな候補だけではなく,第2,第3の候補を保存しておくことにより,一時的な推定ミスにも関わらず,頑健に推定を続けることができるアルゴリズムを考案した.また,前の時刻での推定の近傍を探索することで,関節自由度の増大にともなう探索空間の爆発に対処できることを示した. 4.3の改良アルゴリズムをPCクラスタシステム上に実装した.その結果16000種類余りのモデルCG画像のなかから入力画像にマッチする画像をビデオレート(30msec/frame)以内に検索し,その3次元姿勢パラメータを出力することに成功した. 5.任意形状ではなく手話単語のような特定の動作パターンだけを対象として,サンプル画像列から可能な時間的な状態遷移のネットワークを自動的に学習し,どの単語が入力されているかを識別する忰組みを考案した. 6.処理を2次元的な腕の振りの推定に限定し,市販のプレゼンテーションソフトをユーザの腕の振りで制御することのできるヒューマンインターフェースアプリケーションを,一般的なノート型PCに実装した.実験の結果,スライドを進めたり特定のスライドにジャンプさせるなどの機能について,十分実用に耐えるシステムであることを確認した.
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