研究課題/領域番号 |
11555075
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
日高 邦彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90181099)
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研究分担者 |
熊田 亜紀子 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (20313009)
松岡 成居 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10114646)
千葉 政邦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20011140)
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キーワード | ポッケルス / 沿面放電 / 電位分布 / 光プローブ / ストリークカメラ |
研究概要 |
本研究では実用機器中の静電位分布、放電進展に伴う電位及び電界の時間変化などを定量的に被測定対象空間に擾乱を与えず測定できるシステムの完成を目的としている。具体的には、広範囲点の電位を定量的に測定できる"多点電位同時測定システム"(光源、ポッケルスセンサ、受光部、高電圧印加部、測定部収納容器からの構成)の構築を行う。 本年度は、まず光伝送に一本の光ファイバを使用し、受光器には光プローブを使用する電位計を試作した。この電位計は高電圧部も含めて任意の場所に配置でき、調整などの熟練技術無しに手軽に測定できる。当初の計画においては光伝送に並列に配置した複数本の光ファイバ使用し、また受光器にストリークカメラを用いることで"多点電位同時測定システム"に拡張する予定であったが、試作した電位計の特性評価を基に拡張システムの位置分解能の検討を行ったところ、光源-センサ間の光伝送に並列配置光ファイバを用いるとシステム全体の位置分解能は数mm程度に留まることが判明した。 そこでシステムの改良設計を行った。改良案においては、センサ部へはレンズ系により拡大したパルスレーザを入射するので、位置分解能は数10μm、時間分解能も1ns以上と当初の予定以上に達する。受光器にはテーパーファイバ付きCCDカメラを使用するので光軸調整が省略できハンドリングも良い。このシステムは、さらに電位分布変化測定システム(現有)との同期測定も可能である。 現在までにシステムの大部分の部品の選定・加工を終えており、現在は電位分布変化測定システムとの同期測定に向けて調整・準備を行っている。また本システムは沿面放電現象を対象として測定を行う予定だが、このシステムの感度を考慮した最適実験環境を求めるべく、現有の設備・装置を用いて沿面放電進展基礎特性の検証実験も平行して行ってきた。これらの検証実験は既に修了しており、システム完成次第直ちに沿面放電測定実験を開始する予定である。
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