研究分担者 |
宮本 昌弘 富士電機総合研究所, 電力技術開発研究所, 課長
滝川 浩史 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (90226952)
田中 康規 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (90303263)
松尾 廣伸 静岡大学, 工学部, 助手 (70293610)
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研究概要 |
平成13年度での研究実績を以下に示す。 1)大口径プラズマへのC+Si, C+Fe, C+Ni-CoおよびCパウダの導入によるクラスター生成 30kW-大口径誘導熱プラズマ源を用いて、C+Si, C+Fe, C+Ni-CoおよびC粉末を注入することにより,Cクラスター生成実験を行った。FeおよびNi-Coはカーボンナノチューブ生成において触媒として用いられる材料である。この結果をソックスレー抽出によりフラーレンを抽出した結果,Si混合の場合が最もフラーレンが生成されることがわかった。 2)フラーレン生成への生成物採取場所依存症 ガスを80%Heとし,C+Si混合パウダを導入した場合について,生成物の採取する冷却板位置をトーチ出口下から200mmから900mmの範囲の5箇所に変更して採取した。その結果,トーチ出口からもっともはなれた900mm位置で採取した生成物にもっともフラーレンが含まれていることがわかった。 3)フラーレン生成へのプラズマ注入電力依存症 プラズマへ注入する電力のフラーレン生成への影響を確認するために電力を30, 50および70kWとして,フラーレン生成実験を行った。その結果,電力が大きくなるほど,フラーレン収率は下がることが判明した。これはプラズマへの注入電力が大きくなりすぎると,生成されたフラーレンが再分解される確率が高くなるためであると考えられる。 (4)フラーレン育成用トーチおよびチャンバ容器内の温度分布の数値解析 フラーレン育成用トーチおよびチャンバ容器内の温度分布を熱流体解析した。ここでは質量,運動量,エネルギー保存式のほか,ベクトルポテンシャルに対するマクセル方程式,状態方程式の連立方程式を立てて,これをSIMPLE法により解いた。その結果,Heガスを用いた場合においては,Arを用いた場合よりも温度の軸方向分布が急勾配になることが判明した。実験ではHeガスを用いた場合の方がフラーレン生成効率が上がることから,温度の急勾配によるC原子の急冷効果がフラーレン生成に何らかの影響を与えている可能性があることを示唆できた。
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