研究課題/領域番号 |
11555079
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
植田 清隆 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (20294978)
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研究分担者 |
岡元 洋 九州電力, 総合研究所超電導Gr, 主幹研究員
赤崎 正則 九州大学, 名誉教授
吉武 剛 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (40284541)
河野 宰 フジクラ, 材料技術研究所, 所長(研究職)
秋田 調 電力中央研究所, 電気物理部, 部長(研究職)
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キーワード | レーザ蒸着法 / Y系高温超電導体 / アブレーションプロセス / 発光分光法 / レーザ誘起蛍光法 / 成長メカニズム / 電界を印加してのレーザ蒸着 |
研究概要 |
高温超電導体は、現在線材状の製造が容易なビスマス系のものが実用化されている。これに対しY(イットリウム)系高温超電導体(YBCO)の場合、配向性の良い結晶膜を作ることが出来ればビスマス系に比べ異方性が少なく、一桁以上電流密度が高い導体を実現できる。YBCO結晶膜作成の代表的な方法としては、レーザアブレーションを用いたレーザ蒸着法(PLD;Pulsed Laser Deposition)が挙げられる。PLD法によるY系高温超電導体研究の現状は、YSZなどの中間層への成膜技術などの、いわゆる応用研究が主である。しかし一方では、アブレーションプロセスと成長メカニズムとの相関性には未だ不明な点が多く、これらの系統的な報告は意外に少ない。また、電界や磁界中でのPLD法による成膜の報告は幾つかされているが、高電圧を用いた電界中での成膜の報告はまだされていない。 本研究では、配向性の良いY系超電導薄膜を高速に成膜することを目的とした。応用研究へ向けて、まず基礎的な成膜パラメータ(雰囲気ガス圧力、基板温度、ターゲット基板間距離)を系統的に調べた。膜の結晶性は、XRD、SEM、及びラマン分光法を用いて評価した。また、アブレーションプロセスを発光分光法及びレーザ誘起蛍光法を用いて解析した。これにより、アブレーションプロセスと結晶膜の成長メカニズムとの相関性を明らかにした。プルームを構成する粒子がさらに、ターゲットと基板との間に高電界を印加しながらPLDを行う装置を設計・製作し、電界印加が結晶膜に与える影響を調べた。MRDによる解析により、電界を印加する事で結晶の配向性が向上することがわかった。
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