研究課題/領域番号 |
11555081
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
橋詰 保 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 助教授 (80149898)
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研究分担者 |
葛西 誠也 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30312383)
兼城 千波 神奈川工科大学, 工学部, 助手 (30318993)
本久 順一 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 助教授 (60212263)
関 昇平 沖電気工業(株), 半導体技術研究所, グループリーダー(研究職)
武山 真弓 北見工業大学, 工学部, 助教授 (80236512)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 窒化ガリウム / 表面制御 / 界面制御 / ショットキー接合 / オーミック接合 / フェルミン準位ピンニング / 表面処理 / 自然酸化膜 |
研究概要 |
本研究では、GaN表面の詳細な評価に基づく金属/半導体界面制御を試み、安定なショットキー接合と、低接合抵抗オーミック電極形成のための作製プロセスを確立することを目的とする。得られた主な成果を以下にまとめる。 (1)n-GaNに対して安定なショットキー接合法を確立することを目的として、プロセス直前のGaN表面の表面フェルミ準位の位置を光電子分光(XPS)法を用いて測定し、表面のバンド曲がりを詳細に評価した。(1)大気に曝した表面のバンド曲がりは1.4eVと大きく、フェルミ準位が強くピンニングされていることが分った。(2)アンモニア溶液処理と窒素プラズマ処理を行うことでバンド曲がりは0.5eV程度緩和し、分子線エピタキシー法で成長した表面と同等の電子状態が得られることが明らかになった。 (2)電子デバイスのショットキーゲート構造への応用を目的として、逆方向リーク電流特性を詳しく調べた。(1)n-GaNに対するショットキー接合の逆方向リーク電流は熱電子放出理論で計算される値よりも数ケタ高く、かつ、バイアス依存性が強く温度依存性が弱い。(2)逆方向リーク電流はショットキー電極とオーミック電極間の表面状態や表面構造に敏感であり、バイアス掃引に対してヒステリシスを持つ。これらの結果より、n-GaNに対するショットキー接合の電流輸送特性には、接合界面および電極間表面のトラップに起因するリーク機構が影響していることが強く示唆された。 (3)AlGaN表面に超真空中で金属Alを約1nm蒸着後、真空アニール(800℃、10min)することで、金属AlとAlGaN表面に残留している自然酸化膜が反応して形成された極薄Al酸化膜を表面不活性化膜として利用し、GaN/AlGaNヘテロ構造上のショットキーゲート特性の改善を実現した (4)MgドープP-GaN表面のXPS分析を行った。Mg原子の表面蓄積に伴うMg-O結合ピークが強く検出され、GaおよびNの内殼ピークの半値幅がn-GaNと比較して1.5倍程度に増加していることが分った。表面でのバンド曲がりは1.3eVと強く、Mg蓄積による表面乱れ層により、高密度の表面欠陥準位が存在していることが示唆された。ECR励起のN2プラズマによる表面処理で、表面乱れは回復し、ほぼフラツトな表面バンドを実現できることが明らかになった。
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