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2000 年度 実績報告書

STMによる界面微細加工技術の開発とそれによる量子波干渉デバイス構造の構築

研究課題

研究課題/領域番号 11555082
研究機関東北大学

研究代表者

渡辺 洋右  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00167181)

研究分担者 櫻井 利夫  東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20143539)
薛 其坤  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90270826)
中山 幸仁  東北大学, 金属材料研究所, 講師 (50312640)
薛 其貞  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50323093)
橋詰 富博  日立製作所, 基礎研究所, 主任研究員
キーワード走査トンネル顕微鏡 / バリスティック電子放射顕微鏡 / 界面微細加工
研究概要

STMおよびバリスティック電子放射顕微鏡(BEEM)による界面微細加工のメカニズムを明らかにすべく、金・シリコン界面での介在物の有無による微細加工特性への影響を測定した。そのためにシリコンの清浄表面、水素終端表面・極薄酸化膜で覆われた表面などを用意してBEEMによる微細加工実験を行い、その特性の変化を明らかにした。さらに微細加工の前後において試料表面を高分解STMによりその構造を確認することによって、STM探針からの電子線入射による界面微細加工によって表面の構造は変化していないことが実証されたことから、微細加工のメカニズムとして表面の状態変化によって界面に入射される電子のエネルギー・方位分布が影響を受けることによるとする説を否定することができた。
本研究で用いたシリコンの水素終端表面は、試料処理中の環境の清浄度がその表面の性質に大きく影響を与えることから、これまではクリーンルームの中でしか準備することが出来ないとされてきた。しかしながら我々は、通常の実験環境下においても、フッ酸を含むエッチング溶液を加熱し液中に含まれる溶存酸素量を減らすことによって、欠陥濃度が1%以下でSTMによる観察にも十分耐えうるレベルの極めて清浄な水素終端表面の作成に成功した。またその際の加熱温度やエッチング温度・フッ酸に加えるアンモニアの量を制御することによって欠陥密度やステップの揺らぎの少ない理想的な表面が得られる条件を確定した。この表面上にKやNaなどのアルカリ元素を吸着させ、その結合状態やクラスター形成過程をSTMにより観察したところ、これまでの7x7清浄表面の場合とは大きく異なり、水素終端表面上では特定のサイズを持つクラスター(Kの場合は3個)が形成され安定化することが判明した。この現象は、アルカリ原子が吸着により電気双極子を形成し互いに反発するとするこれまでのモデルとは相容れないものである。これらの実験結果を仕事関数測定結果と比較することによりアルカリ金属元素吸着による仕事関数減少のメカニズムに関する知見を得ることができた。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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