研究課題/領域番号 |
11555085
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
徳光 永輔 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (10197882)
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研究分担者 |
木島 健 シャープ株式会社機能デバイス研究, 主任
大見 俊一郎 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (30282859)
石原 宏 東京工業大学, フロンティア創造共同研究センター, 教授 (60016657)
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キーワード | 強誘電体メモリ / SrBi_2Ta_2O_9 / 有機金属気相成長法(MOCVD) / 酸素プラズマ |
研究概要 |
強誘電体メモリは次世代の不揮発性メモリとして期待されているが、強誘電体膜の形成温度が高いことが、大きな問題となっている。本研究の目的は、何らかの補助的なエネルギーを有機金属気相成長(MOCVD)技術に導入して、強誘電体膜の低温形成を実現することである。初年度となる本年度は、溶液気化MOCVD法を用いた強誘電体膜SrBi_2Ta_2O_9(SBT)の成膜と、活性化した酸素により結晶化温度を低温化するための基本的な研究を行った。まず最初に、溶液気化MOCVD法により強誘電性を持つSBT膜を形成するためには、低温(350℃)堆積後に、結晶化のため750℃以上の高温アニールが必要であることを確認した。次に、低温での結晶化を目的として酸素プラズマ中の結晶化アニールを行い、従来よりも100℃程度低い650℃での結晶化に成功し、形成したSBT膜の強誘電性を確認した。得られた残留分極、抗電界の値は、それぞれ1.5μC/cm^2、45kV/cmであった。さらにプラズマ出力を大きくするに従って結晶化が促進されることを確認した。別の測定よりプラズマ印加による基板温度の上昇は小さく、活性な酸素ラジカルが強誘電体の低温結晶化に寄与していると考えられる。さらに本研究では紫外線の導入を検討している。本年度は基礎的な知見を知る目的で、ゾルゲル法によるSBT膜形成中に紫外線照射により発生すると考えられるオゾンを導入してアニールし、通常の酸素アニールと比較して結晶化が促進されるという結果を得ている。
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