研究概要 |
雰囲気のガス圧力に関係なくしかも組成制御がしやすいフラッシュ蒸着法について、装置の開発を行ってきた.一定速度で粉末状の原料を1800-2100℃のタングステン製加熱源に落下させるミキサー式の装置の制御性が十分でなかったため振動スライダー方式を導入した.この改良により本装置は,ほぼ完成したといえる. 本装置を用いてSi粉末(粒径75μm)を原料としてSi基板上にSi膜の成長を試みたところ,現状では装置の真空度が十分でないため結晶性は良いとはいえないが、基板温度500℃でエピタキシャル成長することが観測された.さらにSi基板上にFeを成膜したところ,RHEED観察の結果500℃では多結晶成長であったが600℃では単結晶構造が見られた.XRD測定では,Fe200のみの回折ピークが現れ,FeがSi上にエピタキシャル成長している可能性があることがわかった.しかし,目的とするβ-FeSi2に関するピークは現れず,SiとFeの反応が十分ではないと考えられる.
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