研究概要 |
インテリジェントデバイスからなるマイクロシステムが接続され、数兆のノードからなるTera Netによる超分散システムの構築にあっては、それぞれのシステムがそれぞれの目的を持って構築、運用されるという前提に立たなければならない。そして、環境の変化に伴い、それらの自律性を保ちつつ、次第に統合され成長できる技術-異質共生型自律分散システム技術-が必要になる。このため本研究では、(1)異種システム共生のためのニーズ調査(2)異種共生型自律分散システムコンセプトと,その下でのシステムモデルの提案、(3)異種共生型自律分散システム技術として開放型/抑制型連携技術と、それらのアシュアランス性による評価、(4)制御・情報システムの共生技術と評価、(5)広域異種情報サピスシステムの情報提供/利用技術と評価、(6)これら技術の実機による検証、(7)以上をもとにした実用化への見通し検証、(8)上記成果を国内外会議、論文にて発表、を行なった。 メインフレームから、パソコンの、さらには、インターネットなどネットワークコンピュータ指向の分散システム化が情報分野を中心に、欧米先導で進められてきた。我が国が先行してきた産業分野での制御、デバイスをベースにした超分散システムのために研究開発される本技術は、日本の先行性を示すのみならず、世界でのパートナシップに基づく研究開発を促すことが、自律分散システム国際会議(IEEE,計測自動制御学会、情報処理学会、電子情報通信学会主催)などで評価された。何よりも、デバイスの制御から、人間のコミュニケーションまでが技術的に共存するわけで、新たなサービスの創造と、環境保護を推し進める新しい産業分野を生み出す可能性が明らかになった。
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