研究概要 |
非接触で野菜など農産物の赤外吸収スペクトルと紫外・可視吸収スペクトルを測定するため、マイケルソン型干渉計・焦電検出器などから構成される拡散反射型赤外分光光度計および可視域の分光光度計を用い、ポリエチレン製モデル試料、レタスの葉やモモ(ネクタリン)などの実試料で実験的検討を行なった。主な結果は、以下のとおりである。 (1)モデル試料および実試料の赤外正反射光のフーリエ変換スペクトルを測定することにより、試料表面に付着させた殺菌剤成分(tetrachloroisophtharoritrile,TPN)を検出可能であることが判明した。 (2)拡散反射赤外光のフーリエ変換スペクトル測定を実試料を(レタス葉)で行ない、環境ホルモンとして関心の高まっている殺虫剤(マラチオン、フェンバレレートなど)の計測を検討し、これらの特徴パターン抽出に基づく検量モデルを導出し、妥当性を考察した。 (3)以上の実験的検討は、いずれも非接触かつこれまでのATR法よりも迅速に測定可能であり、波数分解能および積算はcm^<-1>,100回で約2分で測定が終了することが判明した。 今後、拡散反射赤外スペクトル測定を効率的に行なう大型試料室・駆動制御方法の検討を継続し、本計測システムの妥当性および実用性を検討する。
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