研究課題/領域番号 |
11555110
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
鳥羽 栄治 信州大学, 繊維学部, 教授 (60010956)
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研究分担者 |
石澤 広明 (社)長野県農村工業研究所, 農業開発研究部, 次長
西松 豊典 信州大学, 繊維学部, 教授 (40252069)
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キーワード | 拡散反射赤外分光 / 残留農薬 / 殺菌剤・刹虫剤 / 殺菌剤・刹虫剤 / 環境ホルモン / フーリエ変換 / 非接触光計測 / パターン抽出 |
研究概要 |
拡散反射型赤外分光法の農作物残留農薬計測への適用について、実栽培されたレタス類を試料として実験的検討を継続した。昨年度作成した残留農薬検量モデルの検証および安定性の評価を行うと共にさらに、新たに農作物(主にレタス類)を測定装置上に固定するためのサンプルホルダーおよび測定の安定・信頼化を図るための乾燥空気供給装置を用いて検討を行った。 試料としてレタスの個体ごとの拡散反射赤外分光スペクトルの測定と農薬成分の化学測定を行い、この化学測定値を残留農薬濃度値とし、これを参照値(実測値)として、拡散反射スペクトルを用いた検量モデルから推算した残留農薬濃度予測値との比較検討を各農薬成分ごとに行った。得られた主な結果は以下のとおりである。 (1)レタス1個体の測定時間は約3分であり、これは、全反射減衰赤外分光(ATR)の3倍強の効率である。 (2)試作したサンプルホルダーおよび乾燥空気の供給により、スペクトルの安定的な測定が可能となった。 (3)拡散反射法による残留農薬濃度誤差の標準偏差は、農薬成分の安全基準値の20%以下であり、安全性判定を行う上では充分な値であり、このことから、検量モデルの安定性は良好であると考えられる。 (4)拡散反射法では、光の侵入深さが前記ATR法に比較して10^3倍となり、測定感度の点でも、向上することが確認された(殺菌剤ベノミルなど)。 今後の課題として、本測定法の広範囲な農作物への適用の可非と測定の迅速化などの検討の他に自動判別技術の開発が望まれる。
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