研究分担者 |
佐藤 靖彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60261327)
杉山 隆文 群馬大学, 工学部, 助教授 (70261865)
中村 光 山梨大学, 工学部, 助教授 (60242616)
徳重 英信 秋田大学, 工学資源学部, 講師 (80291269)
今野 克幸 北海道工業大学, 工学部, 講師 (80290667)
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研究概要 |
平成12年度は平成11年度に引き続き,研究代表者・分担者ごとに以下の課題に取り組み,成果を挙げた. ・鉄筋腐食による鉄筋コンクリート構造物の力学性能の劣化過程のシミュレーションプログラムの構築とプログラム中の各モデルの改良を行った.連続繊維シートによる補修補強効果(物質遮蔽効果と力学的な補強効果)を考慮できるようにした.室内実験により,鉄筋の腐食した鉄筋コンクリート部材の引張剛性を検討し,モデル化を開始した. ・鉄筋コンクリート構造の2次元有限要素法動的解析プログラムの基本フレームの整理および再構築を行った. ・疲労荷重下ならびに地震作用時の終局域まで解析可能なコンクリート・補強材(連続繊維シート,鉄筋)の構成モデルの開発を行った.補強材に対しては,座屈挙動を含む鉄筋の構成モデルの開発,コンクリートに対しては,引張・圧縮破壊エネルギーを考慮した構成則の開発に取り組んだ. ・コンクリート中の塩化物イオンの拡散係数と固定化量と固定化速度について,電気化学的な手法と従来の浸漬法を併用して,実験的に考察した. ・ひび割れを有するコンクリート中の有害物質の移動について研究を開始し,引張ひずみを受けるコンクリートのガス透過性を調べるための透過セルの開発を行なった. また平成12年度には,研究代表者・分担者による打ち合わせを行い,上記の研究成果の統合化の方向を検討した.鉄筋腐食,凍害,疲労など個別の劣化現象を扱うモジュールについては,構造物各部位の材料の損傷の程度を出力し,構造物全体の力学応答を解析するプログラムでそれらを考慮できるように構成則に反映すること,最初は複数の劣化現象の相互作用のない問題を対象とし,徐々に相互作用のある複雑な問題に取り掛かることを決定した.最終年度である平成13年度は,これらを行い,研究の取りまとめ作業に入る.
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