研究課題/領域番号 |
11555119
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
國府 勝郎 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (10042764)
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研究分担者 |
宇治 公隆 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (70326015)
遠藤 孝夫 東北学院大学, 工学部, 教授 (90265182)
加賀谷 誠 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (00091794)
上野 敦 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (50232765)
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キーワード | 転圧コンクリート / 締固め関数 / 締固めエネルギー / 充填率分布 / 締固めシミュレーション / 逆解析 / 可視化実験 / 表面振動機 |
研究概要 |
超硬練りコンクリートの締固め性試験から得られる締固め関数を基礎として、外部振動機によるコンクリート内の振動伝播挙動の計測と可視化実験による検討、層内の応答加速度波形の逆解析によるフォークトモデルの材料定数の同定を行い、転圧コンクリートの締固めシミュレーション解析プログラムを構築した。この研究により次の事柄が明らかになった。 1.振動台を用いた締固め性試験における締固めエネルギーと充填率との関係である締固め関数は、表面振動機による層内の応答加速度から締固めエネルギーを求めれば、外部振動機を用いた締固め層内でも成立する。 2.充填率の小さい締固め初期においては、振動機の入力加速度よりも大きな応答加速度が発生するとともに入力波形から乱れた応答を生じ、締固めが進行するにつれて応答加速度は入力値に漸近するとともに入力波形に近似した加速度波形に近づく。 3.締固め層の支持条件が剛であるほど締固め底部の充填率は小さくなり、充填率分布の勾配が大きくなる。支持条件が弾性的になると上下部の応答加速度の差が小さくなるとともに、充填率の上下部の差も小さくなる。 4.超硬練りコンクリートの材料モデルをフォークトモデルとし、これを多層に連結して締固め層を表現し、支持層をバネで表し、表面振動機との連成系の構造モデルのシミュレーションプログラムを構築した。締固め層内に引張力が発生する際には、締固め層と振動機との結合を切断することにより、振動機の跳躍現象も表現することができた。 5.フォークトモデルの材料定数は、応答加速度波形の逆解析により同定し、構造モデルの各部に発生する応答加速度に基づいて各部の締固めエネルギーを求め、締固め関数を介して充填率を推定することによって、転圧コンクリートのコアから求めた充填率分布を良好に近似することができた。
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