研究課題
基盤研究(B)
本研究では、防波堤を設置することなく箱形ポンツーン形式の超大型浮体式構造物の波浪応答を低減する方法について、解析・実験・実機適用性の3方向から検討し、その実用化を目指すことを目的とする。浮体応答低減の方法としては各種考えられるが、本研究では特に没水水平板を浮体周縁部に取りつける構造をとりあげ、本研究のより具体的な研究目的として、没水水平版による鉛直波浪応答低減のメカニズム解明、没水水平板を付加した箱形ポンツーン構造に対する波浪応答解析プログラムの開発、想定実機に対する最適構造の探索と試設計を通じた適用性検討、を設定する。平成11年度においては、浮体応答低減のメカニズム解明に重点をおいた研究を実施した。浮体応答低減のメカニズムとしては、(a)没水水平板の鉛直動揺に伴う流体抵抗(付加質量力・造波減衰力)の効果、(b)没水水平板による波の反射・消効果、(c)上記以外の効果(造渦抵抗等)、が考えられる。この内、どのメカニズムが最も有意かを決定するため、(a)、(b)それぞれ単独の効果を断面2次元問題に対して解析により調べ、それら単独の効果により、全体系に対する実験結果がどこまで再現可能かを調べた。その結果、本研究で決定した没水水平板の設置範囲においては、流体抵抗の効果が支配的であり、水平板による反射・消波効果は2次的であることが示された。この成果は、最適な没水水平板の配置・設計法を開発する上で、最も基本的な知見を提供するものである。
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