研究課題
昨年度サンプリングしたポートアイランドおよび六甲アイランドの埋立土および沖積粘土を用いた室内試験を実施した。実験結果より得られた力学特性に基づいて、3次元有効応力解析を実施し、兵庫県南部地震時の両人工島の地震動増幅特性について検討した。それらの結果は研究発表一覧の各論文によって公表されている。結論として、未圧密状態にあった六甲アイランドの沖積粘土の存在が、それ以浅の埋立土の地震動特性に大きく影響し、六甲アイランドにおいては地表面近くで地震動の減衰が生じ、ポートアイランドに比べて液状化程度が小さくなったことがわかった。本年度は、大阪府岸和田市内の埋立地において砂礫地盤のサンプリングを実施した。当該地盤においては原位置杭載荷試験が実施済みであり、この評価のために原位置孔内載荷試験および埋立材の尖頭粒径試料による三軸試験等が実施されており、地盤の変形係数が得られている。今回、新たに開発した地盤凍結法を用いてサンプリングを実施した。サンプラー貫入後に地中で凍結を行い、サンプルに見かけ上の粘着力を与えた後、試料を引き上げた。大口径試料を実験室に持ち帰り、現場採取試料径そのままで三軸圧縮試験を実施した。今後、従前から得られている変形係数と、提案したサンプリング法で得られた試料による変形係数を比較することによって、提案手法の妥当性を検証していく。
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