研究概要 |
[平成11年度] 支圧型補強材の室内引抜き試験を行い,スチールグリッド補強材(直径6.0mm)が支圧抵抗力を発揮する際には前方300mmまで影響を及ぼすことを明らかにした。また,室内引抜き試験結果をもとに,支圧型補強材が発揮する支圧抵抗力を論理的に評価できる支圧抵抗評価式を提案し,愛知県の実験サイトにおいて実施された現場引抜き試験と比較・検討した結果,提案式は今回実測した引抜き抵抗力よりも安全側となる結果が得られた。一方,遠心力場での模型実験を行うために,遠心力載荷試験装置の製作を行い,基本的な性能の確認を行うとともに最大加速度100Gまで載荷できることを確認した。 [平成12年度] 信頼性設計法を補強土に導入するためには,補強メカニズムをより詳細に解明することが必要であることが判明し,特に地震多発地帯にある日本では地震時における支圧型補強土構造物の挙動を知ることが重要であることがわかった。このため,繰返し条件下における支圧型補強材の引抜き抵抗力について検討し,動的荷重が作用した場合,支圧抵抗力は静的条件下における支圧抵抗力よりも小さくなることがわかった。 また,降雨による補強土壁の変形挙動について検討するため,兵庫県の実験サイトにおいて降雨量および実物大補強土壁の壁面変形量を約半年間,毎日計測を行った結果,降雨量,降雨時期(補強土建設後の日数)と壁面変形量の関係について明らかにした。
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