研究課題/領域番号 |
11555130
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
善 功企 九州大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50304754)
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研究分担者 |
高橋 重雄 運輸省港湾技術研究所水工部, 砕波研究室長
神野 健二 九州大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80038025)
落合 英俊 九州大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00039679)
安福 規之 九州大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20166523)
鳥井原 誠 大林組技術研究所, 主任研究員
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キーワード | サクション基礎 / 海洋基礎 / 中空円筒基礎 / 支持力 / サクション力 / 模型実験 / 有限要素法解析 / 浸透解析 |
研究概要 |
サクション基礎とは、茶筒状のケーソンを逆さまにして海底地盤上に設置し、基礎内部からの強制排水させることによって発生する基礎内外の水圧差(サクション)を利用して、ケーソン等を海底地盤中へ根入れする新形式の基礎である。このサクション基礎の特徴としては、沈設施工時において押込力の増加と抵抗力の減少という両極端の効果を期待でき、また沈設後の基礎に作用する引抜き荷重に対しても基礎内部に発生するサクションが抵抗力として作用することである。さらに施設の種類、水深、土質などの各種条件の違いに対する適用性が高く、根入れを有することで滑動・転倒等に対する安定性も高まるといった特徴も持ち合わせている。しかし、サクション基礎の支持力については、既往の帯状基礎の支持力公式を準用しているものの、中空円筒で基礎内部に土が存在する場合の支持力の算定方法については不明な点も多い。そこで本研究では、実験的なアプローチとして、サクション基礎の忠実な模型を用いて、さまざまな地盤および応力条件を変化させた載荷実験を行い、サクション基礎における支持力メカニズムを明確にした。得られた結論をまとめると以下の通りである。1)全抵抗実験による荷重-変位曲線から、相対密度が約85%の砂地盤における破壊モードは全ての基礎で全般せん断破壊を生じる。肉厚が薄いほど、最大値に達するまでに必要となる変位が大きくなり、最大支持値は若干低下する。2)基礎の先端抵抗成分、内周面抵抗成分は肉厚の増加とともに増大する。3)基礎の上蓋抵抗成分は肉厚の増加とともに減少する。4)基礎の外周面抵抗成分は、外直径が等しければ肉厚の影響を受けない。5)サクション基礎の根入れを十分行うことができれば、肉厚が薄い場合でも中実基礎の90%程度の支持力を発揮することができ、施工性や経済性に優れたものになり得る。 また、解析的なアプローチとして、沈設時の基礎内部の浸透流解析および有限要素法による設置時の支持力解析を行い、昨年新潟県直江津港で行われた現場沈設実験の比較を行い、解析手法の検証と事例解析を行った。
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