研究概要 |
本研究は石炭灰と廃棄EPSを採り上げ、石炭灰の軽量性、自硬性(水の存在下で硬化する性質)に着目し、道路の軽量盛土材、路盤材及び表層改良材等の建設素材としての再利用技術の開発を行い、また、開発する道路の軽量建設素材の液状化強度の判定と、動的外力下の力学特性を三軸試験により解明した上で、石炭灰と廃棄EPSの道路土工材としての適用性について総合的に評価する。 本年度は,まず埋立廃棄処分されている石炭灰を採取し,石炭灰埋立地での石炭灰の性状を把握するために、現場密度試験、コーン貫入試験、含水比測定をそれぞれ実施し、以後の各種試験や、有限要素解析へ基本デー夕として利用する。次に,石炭灰および廃棄EPSの基本物性の確認を行った。各発電所から採取してきた石炭灰試料は、原料や燃焼割合の違いにより、排出される石炭灰の物性は異なることが、従来の研究で明らか、となっているために、基本物質を予め把握する目的で、一連の土質力学的物理試験を実施した。石炭灰と廃棄EPSとの混合試料に対して、物理試験を実施すると共に、基本的力学特性として、締固め試験及び透水試験を実施した。また石炭灰の海洋構造物への適用として、石炭灰に海成粘土を加え、セメント固化した場合の固化強度及びpH値を長期間測定した。さらに、静的三軸試験の実施にあたって、石炭灰と廃棄EPSの混合供試体を、混合率を数パターン変化させて、混合・作成し、静的三軸圧縮試験を実施し、混合率と静的強度定数との関係を得た。
|