研究概要 |
国民の良好な水環境に対する要求の高まりを受けて,多目的ダムにおいても治水,灌漑,発電,都市・工業用水等の従来型の目的のほか,生態系の保全,レクリエーション等を目的とした環境用水を新たな目的として加えることが必要となってきている。本研究においては,このような新たな要請に対応した費用の配分制度を提案することを目的とする。本研究では、これまでに得た知見を整理し、その拡充を図るとともに、それらを総合化・体系化し、環境用水等の新規目的を含む多目的ダムの費用配分法の体系を開発することを試みるものである。 研究計画初年度に当たる平成11年度には、研究者代表者である岡田がイニシアティブを取る形で、既往の研究成果を整理した上で、問題の明確化を図り、体系化の方針を明確化する。ついで、谷本・榊原を中心に慣用的費用配分法のゲーム論的検討及び環境用水の需要を考慮した共同整備方式に関するゲーム論的検討を行った。多々納・並河は環境用水の維持・供給方策の便益評価法に関する検討及びケーススタディのための社会調査の実施のための基礎的検討を行った。 現在のところ,順調に研究は進展してきており,当初の予定通り研究を遂行することができるものと確信している。
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