研究課題/領域番号 |
11555142
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
浦瀬 太郎 東京工業大学, 工学部, 助教授 (60272366)
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研究分担者 |
山本 和夫 東京大学, 環境安全研究センター, 教授 (60143393)
戸田 祐嗣 東京工業大学, 工学部, 助手 (60301173)
池田 駿介 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016590)
川崎 睦男 株式会社, 日東電工, 技術担当課長
尾崎 則篤 広島大学, 工学部, 助手 (50294541)
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キーワード | 逆浸透法 / ナノろ過法 / 有害物質 / 浄水 / 浸出水 / 廃棄物処分場 |
研究概要 |
本年度は、逆浸透膜による有害物質の濃縮・分離の具体的な例として、廃棄物処分場をとりあげ、廃棄物処分場浸出水に含まれる各種汚染物質の計測手法を検討した。また、逆浸透ナノろ過装置のパイロットプラントを浄水場に設置し、各種汚染物質の計測を行った。また、逆浸透膜における物質透過機構をより明らかにするために、ヒ素を中心とした金属の逆浸透膜による分離現象のモデル化をおこなった。 その結果、廃棄物処分場浸出水には、ビスフェノールA、各種プラスチック添加剤、ベンゼンスルフォンアミド類などが含まれ、これらが逆浸透法による除去実験のターゲットになりうることが明らかになった。また、金属類についても処分場によって傾向は異なるものの鉛、ヒ素、クロム、銅など注目すべき金属種が明らかになった。 パイロットプラントによる実験では、塩化物イオンなどに代表されるイオン性の物質とTOCなどで測定される有機性物質との阻止率の関係を調べた。塩化物イオンの阻止率と有機物の阻止率には、必ずしも高い相関はなく、別の因子によって支配されているであろうことが明らかになった。すなわち、塩の阻止率は、膜の有効荷電密度で決定されるのに対し、有機物の阻止率は、膜の孔径で決定される。この2つのパラメーターは、製膜時にある程度独立に制御可能であることからこのような結果になったと考えられる。 ヒ素は、ひ酸、亜ひ酸、カコジル酸など様々な形態持ち、それぞれ、pHによって荷電状態が異なるため、逆浸透膜によるヒ素の形態別阻止率を、拡張Nernst Planck式によってモデル化し、挙動の説明を行った。
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