研究課題/領域番号 |
11555147
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
田村 哲郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (90251660)
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研究分担者 |
野澤 剛二郎 清水建設, 和泉研究室, 研究員
伊藤 嘉晃 理化学研究所, 情報基盤研究部, 研究協力員
坪倉 誠 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 講師 (40313366)
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キーワード | シミュレーション / 流体計算 / 複雑形状 / 高層建築物 / 耐風設計 / 風荷重 / 大気境界層 / 都市強風防災 |
研究概要 |
建築構造物の耐風設計を合理的に進める上で、作用する風力を評価するために流体計算技術が注目されている。実際の建築構造物の建設状況をみると、形状は複雑で、都市部では他の構造物に囲まれて周囲の影響を受ける。構造物に作用する空気力は、形状の微妙な変化によって大きく影響を受けるため、その評価は慎重に行わなければならない。本研究では、流体計算技術の現状を踏まえた場合、ある程度複雑な形状あるいは周辺の状況に対してもその都度計算して求めることも、風洞実験の手間を考えれば、合理性が欠く訳ではないと考え、実際の建築構造物を対象として流体計算により設計用風荷重を予測するシステムを構築することをめざした。本年度得られた研究成果は、以下の通りである。 1.建築構造物に作用する風圧力および応答の実験データ収集 建築構造物に作用する風圧力および応答に関する実験データを取得した。構造物の形状が変化した時の平均風圧および変動風圧力特性について、特に局所的な変化について吟味し、また応答については不安定振動の発生機構も含めて整理した。 2.実構造物用の流れのシミュレージョンモデルの構築 建築構造物モデルを対象に乱流が作用する場合を想定したより高度なシミュレーションモデルを構築した。乱流流入となることから、ダイナミックSGSモデルを用いたLESを行うための剥離乱流用プログラムを作成した。 3.都市部の建築構造物まわりの流れと風圧力のシミュレーション 都市部を想定した地面上に実構造物モデルを設置し、コンピュータシミュレーションを実施した。シミュレーションモデルの有効性を吟味し、その適用限界も明らかにした。 4.建築構造物の設計用風荷重の予測 変動風力に関する計算結果に基づき、実用的な観点から風荷重に関する各種データを吟味した。特に、接近する風の乱流特性、建築構造物の形状などから分類し、それぞれの影響を整理した。
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