研究課題/領域番号 |
11555148
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
谷川 恭雄 名古屋大学, 環境学研究科・都市環境学専攻, 教授 (70023182)
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研究分担者 |
込山 貴仁 (株)コンステック, 主任研究員
黒川 善幸 名古屋大学, 環境学研究科・都市環境学専攻, 助手 (50242839)
森 博嗣 名古屋大学, 環境学研究科・都市環境学専攻, 助教授 (80157867)
長谷川 哲也 日本診断設計(株), 主任研究員
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キーワード | 非破壊試験 / 内部探査 / 力学特性 / 小径コア / 色彩値 / 超音波 / 斜角法 / トモグラフィー |
研究概要 |
本研究課題では、近代建築物の保存・修復のための非破壊検査技術を開発・実用化することを目的とする。本年度は、小径コア・色彩値・超音波トモグラフィー法による非破壊試験技術を確立するために、以下の項目に関する研究を実施した。 1.小径コアによる構造体コンクリート強度の推定 従来のコア供試体による構造体コンクリート強度の推定は、非破壊試験では得られない圧縮強度を直接測定できるという利点があるが、骨材や鉄筋などの影響や、構造体の補修の必要性、コア抜き作業の手間などの点で不利であり、供試体の本数が制限されるため構造体全体の検査には必ずしも至らないことが多い。そこで、径の小さいコアを用いた構造体コンクリートの強度推定方法を検討した。その結果、小径コアは、これらの欠点を補いつつ充分な推定精度を確保できることが明らかとなった。 2.色彩値によるモルタルの力学特性の推定 セメント系材料では、その品質が色彩の違いとして現れることが経験的に広く知られているが、その詳細は明らかではない。そこで、色彩値を定量評価することによりモルタルの力学特性を非破壊的に求める手法について検討した。色彩値に与える各種要因の影響を検討した結果、弾性係数などの力学特性を推定できる可能性が示された。 3.超音波トモグラフィーによる内部探査 超音波は、比較的早くからコンクリートの強度や弾性係数を求める非破壊試験として利用されてきており、その測定装置も広く普及している。一方、トモグラフィーは内部状態を視覚的に捉えることのできる手法として注目されている。そこで、内部欠陥が超音波の伝播を妨げることを利用して、トモグラフィーによる構造物の内部欠陥の探査手法について検討した。その結果、振動子の角度による補正が必要なこと、方形の試験体では、2方向を分離した解析結果を合成する手法が有効であることが解った。
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