研究課題
国内の災害(三宅島噴火、鳥取県西部地震、東海豪雨など)について行政、マスコミ、ボランティア、被災企業などに着目して整理し、災害情報や防災カルテの観点から検討を加えた。特に平成12年9月の東海豪雨にともなう水害に関しては、情報整理・伝達の不手際が顕著であり、そのために災害を拡大した面もあったことから、全体の経緯から愛知県・名古屋市の今後の対応方針等まで情報収集を行った。具体的な防災ポテンシャル評価と防災カルテ作成を目指して、小規模な地方都市(愛知県田原町)において住民参加の防災研究会を開催した。地元住民に対して防災に関連する話題を提供するとともに、東南海地震や三河地震の経験などの話題から防災意識の程度や、地元の防災に関する意見などを聴取した。この結果に町職員のヒアリングや町内の状況視察を加えており、地元住民の反応も検討して今後も継続させる予定である。以上2点に加えて東海地方の大企業の危機管理体制についても注目しており、これらを通して、様々な立場の人に対する防災情報とシステムのあり方について検討を進めている。地震被害想定に関しては、平成12年度に「大都市圏強震動総合観測ネットワークシステム」が完成し、濃尾平野を中心とする東海3県で200地点におよぶ高密度オンライン観測網の波形データが使用できることから、地盤データと組み合わせて高精度地震動推定と被害想定に向けたモデルとデータベースの充実を目指している。一方、地域防災に関する情報システムについて、実際的な要素プロトタイプの開発を行っている。JAVA技術等を用いてネットワークアクセスできるウェブGISを検討するとともに、平常時から防災情報を整理・蓄積・利用し、災害時には被災情報発信などに使用できるモバイル端末の開発も進めている。
すべて その他
すべて 文献書誌 (6件)