研究課題/領域番号 |
11555154
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
長谷見 雄二 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40298138)
|
研究分担者 |
若松 高志 株式会社熊谷組, 技術研究所, 係長(研究員)
鍵屋 浩司 国土交通省, 建築研究所・第五研究部, 研究員
高口 洋人 早稲田大学, 理工学部, 助手 (90318775)
|
キーワード | 耐火構造 / 金属構造 / 局部火災 / 入射熱 / 数値流体力学 / 火炎 / 渦崩壊モデル |
研究概要 |
(1)局部火災加熱される梁の加熱性状に関する実大実験 局部火災加熱による加熱性状の分析は、従来、ほとんどが模型規模で行われており、火炎からの放射が大きくなると予測される実大規模にまで適用できるかどうかについては議論があった。平成12年度は、主な大型家具等を試験体として発熱速度・火炎高さ等のデータを整備したほか、高さ約3mの壁のない室を試験体とし、一辺1mの拡散型バーナーを火源として、その直上の鉄骨梁を加熱し、火源発熱速度を系統的に変化させて鉄骨梁入射熱の関係を分析した。今回の実験結果は、平成11年度に模型規模の実験で得られた関係式でよく説明でき、模型規模の実験が実大建築空間規模に適用できる普遍性を有することを明らかにした。 (2)柱が火炎に囲まれた場合の部材入射熱分布・部材温度に関する模型実験 平成11年度には、柱の局部火災加熱の条件として最も基本的な火炎が柱に接する場合について模型実験による加熱性状の把握を行ったが、今年度は、最も危険側の条件として鉄骨柱が火源に囲まれる状態を作りだし、火源強度と火炎高さ・柱表面入射熱分布の関係を分析した。この結果、柱が火源に囲まれると、火炎基部の表面入射熱が増大すること、鋼材の表面温度は、この入射熱に対して一様定常加熱を仮定して得られる表面温度とほぼ一致することを明らかにした。即ち、鉄骨柱が火源に囲まれる場合は、入射熱自体が盛期火災より低下することを除いて、加熱の局部性が温度形成の緩和に果たす役割はほとんどないことになる。 (3)実大梁実験の数値流体力学による再現 (1)で示した実大実験の条件に数値流体力学を適用し、実験結果と比較した。計算結果は、入射熱を過剰に算出する傾向があることが判明したが、燃焼過程のモデル化において、大規模火炎で放射を吸収するススの形成が十分に表現されていないためであることが推測された。
|