研究課題/領域番号 |
11555156
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
鈴木 有 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 教授 (90027235)
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研究分担者 |
石川 浩一郎 福井大学, 工学部, 助教授 (50168192)
秦 正徳 高岡短期大学, 工学部, 助教授 (40198742)
前田 博司 福井工業大学, 工学部, 教授 (00113043)
後藤 正美 金沢工業大学, 工学部, 講師 (40170469)
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キーワード | 木造建物 / 在来軸組工法 / 積雪荷重 / 耐雪抵抗機構 / 載荷実験 / 崩壊挙動 / 座屈解析 / 接合部 |
研究概要 |
1.北信越5県の積雪による木造建物の被害データを収集し、特に昭和38及び56年の豪雪時を中心に、倒壊・崩壊事例の形態と原因を分析して、構造部材の座屈と屋根・小屋組の陥没が主因であることを明らかにした。 2.北信越5県で住民を対象に、住居の雪対策に関するアンケート調査を実施し、道具の変化や高齢化或いは克雪住宅の普及により、多雪地域でも屋根雪下ろしをしない例が多く、過大積雪になりやすい時代状況を把握した。 3.北陸地方の典型的な実在木造住宅数棟について、積雪荷重が作用したときの柱軸力を軸組構造から算定し、実験時と解析時に想定すべき過大積雪による載荷荷重の領域を定めた。 4.筋かいとパネルを組み合わせた幾つかの単純な木質構造の立体架構模型を製作し、過大な鉛直荷重を受けたときの不安定挙動と最大耐力を明らかにする載荷実験を実施した。さらに、これらの立体架構に対する有限要素法による座屈解析法を考案して、その解析結果を実験結果と比較・検討し、解析法の妥当性と有用性を検証した。 5.実験より崩壊機構として「架構全体の捩れ座屈による倒壊」と「部材座屈による崩壊」が存在し、解析によっても特定できること、かつ座屈耐力の解析による推算値は実験で得た最大耐力に近いことを示した。 6.全体座屈モードに対応する座屈荷重は部材座屈モードに関する座屈耐力のおよそ半分であり、架構全体の座屈は現実の木質架構の雪荷重に対する設計時に判別すべき重要な崩壊機構であることが分かった。 7.実大の単一柱についての座屈実験を行った結果、過大荷重による座屈発生の前に横架材の顕著なめり込みが生起して限界状態に達する場合もあることが分かり、限界性能の予測には柱の座屈耐力とともに横架材のめり込み耐力を勘案すべきことを示した。
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