研究分担者 |
松本 真一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (70209633)
池田 耕一 国立公衆衛生院, 建築衛生学部, 部長(研究職) (90100057)
亀山 紘 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (40194998)
光田 恵 大同工業大学, 工学部, 講師 (40308812)
野崎 淳夫 東北文化学園大学, 科学技術学部, 助教授
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研究概要 |
本研究は,平成11年度から13年度の3年間の継続である。3年目である本年度の研究実績は,以下の通りである。 1. 前年度に引き続き,酸化チタンを担持したゼオライトパネルの持つ有害物質の吸着・分解性能に関する実験を行った。その結果,(1)夜間,室内蛍光灯の消灯時には,ゼオライトへのホルムアルデヒドの吸着が進行し,室内蛍光灯照射下では,ホルムアルデヒド分解が起こり,水と二酸化炭素が発生する,(2)ホルムアルデヒドは,ゼオライト単体に吸着したのち,酸化チタン光触媒上に拡散してギ酸塩として吸着することを確認した。 2. 前年度に行った東北地域の主要都市及び札幌の戸建て住宅を対象とした夏期における室内温湿度・空気質に関する調査に引き続き,冬期における同様な調査を行った。その結果,以下のような知見を得た。(1)夏期に比べて冬期では明らかに乾燥を感じている居住者の割合が高い,(2)実測では全体の約6割が相対湿度40%を下回り,20%というかなり低湿度の住宅も見られた,(3)相関は低いものの湿度の感じ方と相対湿度および絶対湿度の間に関係が見られた,(4)部屋別暖房や24時間暖房設備を運転していない住宅,熱源に灯油を用いている住宅ではその他の住宅よりも湿度が高い傾向が見られた,(5)水槽を所有している住宅においては湿度・湿度感共に影響が見られた。 3. 前年度に引き続き,ゼオライトパネルを施工した高齢者施設を対象として,施工した室と施工しない室の温湿度,空気環境の比較を行った。その結果,(1)ゼオライトパネルありの居室の臭気濃度は,なしの場合より低い値を示し,また,現地で行った臭気強度,不快度ともに低い値を示した,(2)臭気源の評価より,高齢者施設の染みつき臭の代表的なにおいと考えられるし尿臭が,ゼオライトパネルありの居室では低く,染みつき臭への効果がある可能性が認められた。
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