研究課題/領域番号 |
11555165
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
舟窪 浩 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (90219080)
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研究分担者 |
篠崎 和夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00196388)
水谷 惟恭 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60016558)
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キーワード | 応力誘起強誘電性 / MOCVD / Pb(Zr,Ti)O_3 |
研究概要 |
本研究の目的は、実用化に最適な製膜法であるMOCVD法を用いて、変位型強誘電体薄膜にかかる応力を制御することで、焼結体では得られない優れた強誘電性をもつ新規強誘電体薄膜材料を合成するプロセスを完成し、その実用化の道筋を立てることにある 本年度は以下の結果を得た。 1)膜厚の異なるエピタキシャル薄膜を合成し、その特性を多結晶と比較検討した。その結果、どちらの薄膜でも膜厚の減少に伴う強誘電性の低下が確認された。 2)エピタキシャル薄膜の3次元の格子定数の測定を、高精度XRDを用いて行なった。その結果、正方晶の薄膜では(100)(110)(111)配向薄膜を作製したが、格子定数は粉末のものとほとんど同じであった。このことから正方晶薄膜では、大きな歪は残っていないことが明らかになった。、一方、菱面対晶では、格子は粉末のものとは異なっており、格子の歪が確認された。両者の違いはドメイン構造の違いに起因していると考えられる。したがって、従来指摘されていなかったが、正方晶と菱面体晶では歪に効果が違うことが予想された。実際、正方晶では特性の変化は結晶方位で良く説明できたものの、菱面体晶では結晶方位のみでは十分説明できなかった。
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