研究課題/領域番号 |
11555168
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
竹中 正 東京理科大学, 理工学部, 教授 (70096709)
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研究分担者 |
野村 武史 TDK(株), 基礎材料研究所, 取締役・所長
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 非鉛圧電材料 / ビスマスペロブスカイト / 強誘電体 / 無鉛圧電セラミックス / チタン酸ビスマスナトリウム / 圧電性 / 電気機械結合係数 / ビスマス層状構造強誘電体 |
研究概要 |
酸化鉛(PbO)を含まない環境にやさしい非鉛系圧電セラミックスの実用化に貢献できる材料開発の研究結果を基礎として、実用化に耐える新非鉛系圧電セラミックス材料を開発することを目的とする。具体的には、その基礎研究の結果から最も実用化に近いと考えられるペロブスカイト型強誘電体であるチタン酸ビスマスナトリウム(Bi_<1/2>Na_<1/2>)TiO_3[BNT]系各種固溶体およびビスマス層状構造強誘電体(BLSF)セラミックスを取り上げ、非鉛系圧電セラミックスとして実用化する上で重要なそれらの物理的・電気的・機械的諸特性を最新の分析・測定装置を駆使して詳細に調査し、実用化への足がかりを得た。 それらの強誘電性をペロブスカイト構造ABO_3のAサイトイオンの質量(M_A)に対するBサイトイオンの質量M_Bの比M_A/M_Bに注目して整理した結果、M_A/M_Bが増加すると強誘電性が増加することが明らかにした。すなわち、この比M_A/M_Bを増加させるためには、Aサイトに原子量の大きいイオンを、Bサイトに原子量の小さいイオンをそれぞれ用いることが適していることがわかる。 代表的なBLSFであるBi_4Ti_3O_<12>(BIT)セラミックスの欠点である低抵抗率、高抗電界を改善したSr_xBi_<4-x>Ti_<3-x>Ta_xO_<12>(x=0〜2)(SBTT3(x))の作製により、SBTT3(0.3)で残留分極P_r=12.3μC/cm^2と最も大きな値を示した。さらに、ホット・フォージング(HF)法を用いて、SBTT3(0.3)の粒子配向試料を作製し、その圧電性を調べ、電気機械結合係数k_<33>=0.40および圧電定数d_<33>=45.3(pC/N)を得たが、これらの値はBLSFセラミックスで報告されている従来の値よりもかなり大きく、実用化レベルである。BLSFの粒子配向制御は圧電性などの応用面で非常に重要な技術であり、今後、粒子配向強誘電体セラミックスの圧電的性質を粒子形状等の配向状態と関連付けて詳細に研究してゆく必要がある。
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