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1999 年度 実績報告書

金属コーティングを利用した表面改質SiTiCO繊維強化Ti基複合材料の実現

研究課題

研究課題/領域番号 11555174
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

香川 豊  東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50152591)

研究分担者 中安 哲夫  宇部興産株式会社, 宇部研究所, 主任研究員
佐藤 光彦  宇部興産株式会社, 宇部研究所, 主席研究員
本田 紘一  東京大学, 生産技術研究所, 助手 (80092328)
キーワードSiTiCO繊維 / Tiマトリックス / 表面改質とコーティング / SiTiCO繊維強化Ti複合材料 / 金属間化合物 / 界面制御 / 真空ホットプレス法 / 繊維強化金属
研究概要

平成11年度では、新たに開発された表面近傍(〜50nm)を炭素(C)に富む組成とした直径30〜40μmのSiTiCO繊維の表面に金(Au)コーティングを施すことにより、繊維特性を劣化させずにTiマトリックスと複合化したSiTiCO繊維強化Ti複合材料を作製することの可能性とその問題点について検討した。
表面改質したSiTiCO繊維上に連続湿式メッキプロセスを用いてAuコーティングを行った。メッキ条件を変化させることによりAuコーティングの厚さを0.5〜1μmとした。Auコーティングを施した繊維を工業用純Ti箔にはさみ真空ホットプレス法を用いて、真空度10^<-4>Pa、温度1173K、加圧圧力10MPa、加圧時間0.9〜3.6ksの条件で複合化を行った。EDX分析の結果からAuコーティング厚さが1μmの場合には金属間化合物(Au_xTi_y)が認められたが、それ以外では金属間化合物は認められず繊維とTiマトリックス間の反応が観察された。この結果より、金属間化合物の生成には臨界コーティング厚さが存在すると考えられた。金属間化合物層の厚さは加圧時間にともなって増加し3.6ksでは3.6μmであった。コーティング層厚さが1μmの繊維で作製した複合材料からふっ酸を用いてマトリックスから抽出した繊維の強度は、複合化前の繊維強度とほぼ同じでありAuコーティングによる複合化後の繊維強度の低下はほとんど認められなかった。抽出繊維の引張り破断面観察の結果、金属間化合物層は繊維表面から剥離しており、金属間化合物と繊維の界面は力学特性を制御する役目を持ち界面の剥離と滑りを容易にすることができると考えられた。
これらの結果から、SiTiCO繊維の表面にAuコーティングを施すという新たな考えにより繊維の強度特性を劣化させずにTiマトリックスと複合化できること、および金属間化合物-繊維界面での力学特性の制御が可能であることが明らかとなり、Auコーティングを利用したSiTiCO繊維強化Ti複合材料実現の可能性が確かめられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y.Tanaka,Y.Kagawa,C.Masuda,Y.F.Liu and S.Q.Guo: "Observation of Fatigue Damage Process in SiC Fiber-Reinforced Ti-15-3 Composite at High Temperature"Metallurgical and Materials Transactions A. Vol.30A・No.1. 221-229 (1999)

  • [文献書誌] S.Q.Guo,Y.Kagawa,A.Fukushima and C.Fujiwara: "Interface Characterization of Duplex Metal-Coated SiC Fiber-Reinforced Ti-15-3 Matrix Composite"Metallurgical and Materials Transactions A. Vol.30A・No.3. 653-666 (1999)

  • [文献書誌] S.Q.Guo,Y.Kagawa,A.Fukushima and C.Fujiwara: "Tensile Properties of Duplex Metal-Coated SiC Fiber and Titanium Alloy Matrix Composites"Metallurgical and Materials Transactions A. Vol.30A・No.11. 3019-3024 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2014-04-22  

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