研究課題/領域番号 |
11555174
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
香川 豊 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50152591)
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研究分担者 |
佐藤 光彦 宇部興産株式会社, 宇部研究所, 主席研究員
本田 紘一 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (80092328)
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キーワード | SiC繊維 / Tiマトリックス / 表面改質とコーティング / SiC繊維強化Ti複合材料 / 金属間化合物 / 界面制御 / 真空ホットプレス / 繊維強化金属 |
研究概要 |
SiC系繊維をTi合金と複合化し、複合化後に最適な界面力学特性が得られる方法を検討した。SiC繊維としては直系30μmのSi-Ti-C-O繊維を用い、繊維最表面には厚さ0.1μmの炭素(C)コーティングを施し、その上に各種金属材料をコーティングした繊維を工業用純Tiとホットプレス法により複合化した。複合化後の材料の界面反応の観察ならびに複合材料のマトリックスを溶かし出し、抽出した繊維強度を測定した。その結果、炭素の上に金(Au)を0.5μm以上の厚さでコーティングしたものは炭素層の上にAu-Ti系金属間化合物層(主にTiAu)が生成し、TiマトリックスとSiC繊維間の反応防止に有効であることが確かめられた。また、この場合、抽出した繊維強度の著しい低下は認められなかった。従って、SiC繊維強化Ti系複合材料では繊維表面へ炭素をコーティングし、さらに、マトリックスと金属間化合物を生成する金属をコーティングする方法は繊維特性を劣化させずに複合化するために有効な方法であると考えられた。 この方法で得られた複合材料の力学疲労負荷ならびに長時間熱サイクル負荷を加え、金属間化合物層の成長と界面力学特性の変化を調べた。その結果、本方法で得られた複合材料では界面に生成した金属間化合物層は700.900K程度の温度では100時間保持後にも安定であり、同時に、界面力学特性も変化しないことが明らかになった。また、長時間熱サイクル試験後の複合材料から抽出したSiC繊維の強度低下も認められなかった。これらの結果から、本研究の方法で用いた金属コーティングを利用した方法で直径が30μmのSiC繊維強化Ti系複合材料が製造可能であると考えられる。
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