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2001 年度 実績報告書

リサイクル用スクラップ鋼材中のトランプエレメントの湿式除去法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11555181
研究機関東京工業大学

研究代表者

水流 徹  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20092562)

研究分担者 紀平 寛  新日本製鐵(株), 鉄鋼研究所, 主任研究員
西方 篤  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90180588)
キーワードスクラップ鋼材 / トランプ元素 / アンモニア錯体 / リサイクル / 有用金属の回収 / 不働態 / アノード溶解 / 銅
研究概要

自動車・家電製品等から生じるスクラップ鋼材は大量であり,表面処理鋼板からの亜鉛あるいはモーターや配線による銅の混入率が高く,磁気選別した原料を溶融した場合には低品位の鋼材となる。本研究では,酸洗により亜鉛を化学的に除去後,アノード電解によって残留亜鉛と銅を溶解除去すると同時に,反対側の電極(対極)で溶解した銅をカソード析出・回収しようとするもので,高品位の鋼材の再生と有用資源である亜鉛と銅を低エネルギーコストで回収することを目的としている。
前年度までの研究によって,pH10前後のアンモニア塩水溶液中では,鉄が不働態化し,銅および亜鉛はほぼ100%の電流効率でアンモニア錯体を形成して溶解すること,デュアルポテンショスタットで電位制御することにより対極では70%以上の電流効率で銅の回収が可能であることを確認し,大容量のポテンショスタットを試作した。
本年度の研究では,スクラップの処理速度を増加させるためには,アノード溶解速度を増加させる必要があることから,アンモニア塩水溶液中での銅のアノード溶解反応機構を解明し,処理速度増加のための要因について検討した。
回転ディスク電極によって,溶液中のイオンの拡散速度を制御した条件でアノード溶解し,電極電位,pH, NH_3およびNH_<4^+>濃度を変化させ,その影響を調べた。その結果,銅のアノード溶解反応は,(1)Cu→Cu^+_<ad>+e,(2)Cu^+_<ad>+NH_3→Cu(NH_3)^+,(3)Cu(NH_3)^++NH_3→Cu(NH_3)_2^+の3段階の反応であり,通常の撹拌条件ではNH_3の拡散が反応を律速し,撹拌速度を無限大に外挿した条件では(2)の過程が律速することを明らかにした。これらのことから,銅のアノード溶解速度を増加させるには,(1)全アンモニア濃度を増加させる,(2)pHを高めNH_3/NH_4^+の比を増加させる,(3)撹拌速度を増加させることが重要であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 片岡 敦, 西方 篤, 水流 徹: "アンモニア錯体を利用したスクラップ鋼材からのトランプ元素の除去と回収"材料と環境2000講演集. 297-300 (2000)

  • [文献書誌] 水流 徹, 片岡 敦, 西方 篤: "リサイクル用スクラップ鋼材の湿式処理(銅および亜鉛の除去と回収)"材料とプロセス. 13・5. 861 (2000)

  • [文献書誌] 水流 徹, 西方 篤, 紀平 寛: "アンモニア水溶液中における銅のアノード溶解反応機構"材料と環境討論会. (発表予定). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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