研究概要 |
金属基複合材料を極限環境下でも耐えうる構造物に組み上げるために,複雑な部材を材料学的に一体化して接合できる新しい接合法の出現が強く求められている。 本研究では,全く新しい発想に基づき「高エネルギービーム支援その場接合法」を開発し,金属基複合材料の新接合法として適用し,実用化することを目的とした。昨年度(11年度)に得られた主な研究結果は以下のとおりである。 1.高エネルギービーム粉体接合装置を新設し、高エネルギービームにより複合材母材を表層溶融し,Al合金粉末とセラミックス粒子を高エネルギービーム中を通して接合部に投入し,母材と同等の粒子分散複合材から成る接合部をその場形成するシステムを開発した。 2.開発した高エネルギービーム粉体接合システムにより、市販Al基複合材料であるアルミナセラミックス粒子分散複合材の接合実験を行い、接合条件の最適化を行った。 本年度に得られた主な研究結果は以下のとおりである。 1.市販Al基複合材料であるアルミナセラミックス粒子分散複合材,6061/A1203の高エネルギービーム接合部の組織解析を行い,摩擦撹拌接合法(FSW)の結果との比較評価を行った。 2.Al基複合材料以外への適用のためにMg基を取り上げ,高エネルギービーム接合実験を行い,その溶融特性を評価した。 今後の展開:2カ年という限定された期間のために、本接合法の実用化までには至らなかった。今後、引き続き本研究を継続し、Al基及びMg基複合材料接合部の品質信頼性評価を行い、実用化を目指す予定である。
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