平成11年度の実績は以下の通り。 1.反応速度測定 対象とするスラグ触体が本来有している触媒性を学術的に評価した。通常触媒は1000℃以下の温度領域で多孔質の固体状態で使用されている。本研究で対象とする温度域は1500℃以上の超高温である反応温度が大きく異なっている。そのため炭酸ガス-メタン系においても触媒作用というよりも触体表面上で熱分解に近い状態で、一定の高い反応速度を維持すると予想できる。総括反応(CH4+CO2→2H2+2CO)は4つの素反応で説明できた。実験では小型白金るつぼ上にコイン状にうすくサンプルを溶かし、高周波炉を使用して一定温度を維持しつつ、CH4+CO2の混合ガスを吹きつけ、生成ガスを質量分析計で測定した。実験においては、サンプル組成や保持温度が反応速度に及ぼす影響を明らかにし、反応速度式の形で整理することを試みている。 2.プロセス基礎設計 a)ガス吹き込み型とb)微粒子生成型の二つのプロセスが考えられるので、両者の比較検討を開始した。前者は高温状態でガスを液面に吹き付け、その形状を高精度に観察することに成功した。後者では特に一定角速度で高速で回転するカップに上部よりスラブを装入し、カップ淵より微粒子として周囲に飛び散らせると同時にカップ外壁に沿って下部からジェット状に空気をスラブに吹き付け、微粒化する実験を行った。回転数や温度が大きく粒子形状に影響する事実をつかんだ。詳細解析は次年度に予定している。
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