研究課題/領域番号 |
11555197
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
化学工学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高羽 洋充 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (80302769)
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研究分担者 |
宮本 明 東北大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50093076)
山口 猛央 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30272363)
中尾 真一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00155665)
高見 誠一 東北大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40311550)
久保 百司 東北大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90241538)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 無機膜 / 分子シミュレーション / ゼオライト膜 / シリカ膜 / ガス分離 / 材料設計 |
研究概要 |
高温条件下や有機溶媒中で使われる無機分離膜の開発においては、特定の膜分離対象に最適化された膜を如何に迅速に開発できるがキーポイントとなる。しかしながら、無機膜はその材料によって構造も大きく異なり、また周期律表全ての元素を対象として開発が行なわれるため、試行錯誤的な実験が中心となり多大な労力が費やされている。また得られた膜が最高の性能をもつものかどうかの判定も難しい。そのため、理論的根拠に基づき、迅速な膜材料の開発を可能とする設計手法の確立が望まれていた。 一方、分子シミュレーションを活用した材料設計では、非経験的に得られた原子間ポテンシャルのみから材料の物性を予測することができるため、膜材料の選定や性能予測に応用できる。しかしながら、これまでの計算手法のアプローチでは、コンピュータパワーの限界から、あまりにも計算時間がかかり過ぎ、実際の膜開発では役に立たなかった。 本研究の目的は、高速に膜の分離現象を計算できる手法を開発し、分離対象に最適な無機膜を材料レベルから提示できる方法論を構築することである。本申請においては、大規模系を対象とした我々独自の複数のシミュレーション手法群として、グランドカノニカルアンサンブル分子動力学法、非平衡系モンテカルロ手法、非平衡系メソスコピック・モンテカルロ手法、そして分子動力学法とモンテカルロ法を併用した吸着・拡散理論に基づく性能予測手法を開発し、ゼオライト膜やシリカ膜など無機膜の性能予測に適用し、実験結果と比較し、その有効性を検証した。本研究で開発された手法群は、今後の無機膜開発において分子レベルからの設計手法を与えるものとして活用が期待される。
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