研究課題/領域番号 |
11555204
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
米本 年邦 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40125688)
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研究分担者 |
久保 正樹 東北大学, 反応化学研究所, 講師(研究機関研究員)
北川 尚美 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00261503)
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キーワード | 微粒子 / 酸化チタン / 連続合成 / 核発生 / 凝集 |
研究概要 |
本研究では、金属アルコキシドの加水分解・縮合反応を利用するゾルゲル法による固体微細核の発生を超音波照射下の充填層で、そしてそれに続く微細核の凝集合体による数十ナノメーターサイズ微粒子への成長をスラグ流れ管型反応器で行わせることによって、ナノサイズの単分散酸化チタン微粒子を連続的に合成するプロセスの構築を目指す。 本年度は、粒子の生長機構、特に微細核と粒子との凝集成長機構を明らかにするべく、酸化チタン微粒子懸濁液に反応物であるチタニウムエトキシドと水を再添加して粒子を再び成長させる、いわゆるシード粒子成長法を二段スラグ流式管型反応器を備えた微粒子連続合成プロセスに適用した。まず、チタニウムエトキシドおよび水の両方を二段目反応器に添加すると、添加量が低い場合には新たに発生した核と粒子との凝集合体によって粒子成長が促進されるが、添加量が多くなると核発生速度が非常に高くなり、核同士の凝集合体によって新しい粒子が生成した。次に、核と粒子の凝集速度を変化させるために電解質を二段目反応器に添加したところ、NaClの場合は核と粒子の凝集速度が十分に促進されるが、HClでは凝集促進効果は不十分であった。 ナノサイズ粒子合成のためには、核と粒子の凝集を低減させるという観点から、核発生速度を高める一方、高分子分散剤や電解質などを用いて凝集速度を低下させればよいと考えられる。現在は核発生速度および粒子間相互作用(DLVO理論)を考慮したポピュレーションバランスモデルを用いて粒子生長機構の検討を行っている。今後はナノサイズ単分散微粒子生成条件を探索すると共に、従来よりも反応器長の短いプロセスを構築してナノサイズ微粒子の連続合成を試みる予定である。
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