研究課題/領域番号 |
11555212
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
辰巳 敬 横浜国立大学, 工学部, 教授 (30101108)
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研究分担者 |
常木 英昭 株式会社 日本触媒機能開発研究所, 第1研究室長
吉武 英昭 横浜国立大学, 環境科学研究センター, 助教授 (20230716)
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キーワード | ゼオライト / エポキシ化 / 過酸化水素 / 疎水性 / 水熱合成 / 固相合成 / 修飾 |
研究概要 |
型剤としてテトラエチルアンモニウムイオンを用い、シリカ源としてシリカゾル、煙状シリカ、アルコキシドを用いてTi-ベータを合成した。煙状シリカ、を用いて固相合成したTi-ベータは過酸化水素を酸化剤としたアルケンのエポキシ化ならびに不飽和アルコールからの環状エーテルの合成に高活性を示した。塑剤としてテトラメチルアンモニウムイオンを用いることによりTi-NU-1の新しい合成法を見出した。しかし、Ti-NU-1は結晶内細孔が存在しないゼオライトであるため酸化活性は低かった。塩基性条件とフッ素イオンを助剤とした中性条件の水熱合成、塩基性条件で生成したゲルによる固相合成によるTi-ベータ3種を比較したところ、疎水性はフッ素イオン存在下の合成がもっとも高く、次いで固相合成であった。これは高い結晶性に伴う欠陥密度の低さを反映したものであるが、フッ素イオン存在下ではTiの取り込まれる量が少なく触媒重量あたりのオレフィンのエポキシ化活性は低い。また、この場合もTS-1に比べるとオキシラン環の開環が十分抑制できなかった。水熱合成によるTi-ベータのテトラエチルアンモニウムの除去条件の工夫による疎水性の向上を検討した。硝酸アンモニウムによりテトラエチルアンモニウムイオンをイオン交換し低温で焼成することにより、酸化活性を大きく低下させることなくとエポキシド選択性を飛躍的に向上させることに成功した。このような低温焼成ゼオライトには有機カチオンあるいは高分子有機物が残留していることが観察された。アルカリ金属カチオンがエポキシド選択性を向上させるものの、酸化活性を低下させることは良く知られている。これに対して有機カチオンが酸化活性の抑制をすることなく選択性を上げるものと考えられる。有機基修飾による同様な効果はメソポーラスチタノシリケートでも見出された。
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