研究課題/領域番号 |
11555216
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長棟 輝行 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20124373)
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研究分担者 |
寺田 聡 福井大学, 工学部, 助手 (60311685)
喜多山 篤 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70270882)
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キーワード | キメラ受容体 / 抗体可変領域 / エリスロポエチン受容体 / c-Kit / gp130 / 増殖制御 / 無血清培地 |
研究概要 |
抗ニワトリ卵白リゾチーム(HEL)抗体HyHEL-10のVH、VL断片とマウスエリスロポエチン受容体(EpoR)細胞外D2ドメインおよびc-Kit細胞内ドメインからなるキメラ受容体を作成した。これをIL-3依存性Ba/F3細胞に発現させたところ、キメラ受容体の発現は抗c-Kit抗体を用いたWestern Blottingによって確認できたが、HELを添加しても増殖は起こらず死滅した。 次に,細胞内ドメインをIL-6/CTNF/LIF受容体γ鎖gp130に交換したVH/VL-EpoRD2-gp130キメラ受容体を作製し、Ba/F3細胞ならびにIL-6依存性ハイブリドーマ7TD1細胞に導入したところ、いずれの細胞においても抗原依存的増殖が認められた。増殖アッセイの結果、ハイブリドーマ7TD1細胞ではHEL濃度の増加に伴って増殖速度が増加したが、最適HEL濃度より高濃度のHELを添加すると逆に増殖速度が減少した。そこで、ハイブリドーマ7TD1細胞のIL-6濃度依存性を調べたところ、IL-6濃度に最適値が存在し、それより高濃度のIL-6の添加では増殖速度の減少が見られ、HEL濃度依存性増殖応答との相関が見られた。最大増殖速度を示すためには、IL-6と比較してより高濃度のHELが必要であったが、リガンド-レセプターの結合定数の違いや、細胞膜上に提示されているレセプター数の違いによると考えられる。現在、抗原濃度依存的増殖制御の結果として、低血清培養条件下での増殖と抗体生産の誘導を制御できるかどうかについて確認中である。
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