研究概要 |
Pseudoalteromonas sp.A28株が生産する赤潮殺藻物質は、分子量50kDの菌体外セリンプロテアーゼであった。精製プロテアーゼIのN末端アミノ酸配列を決定したところ、Ala-Thr-Pro-Asn-Asp-Proであった。また、プロテアーゼIのトリプシン消化物をTOF-MSで分析し、内部のアミノ酸配列、Gly-Thr-Gly-Asp-Ala-Asp-Leu-Tyr-Val-Pro、Ser-Ser-Thr-Thr-Gln-Ser-Ala-Leu-Asnを得た。これら配列を用いデータバンクに対して相同検索を行ったところ、Alteromonas sp.O-7株のAprIセリンプロテアーゼ(5)と高い相同性を示すことが分った。そこでO-7株のaprI遺伝子をプローブとしてA28株染色体からショットガンクローニングを行い、2.6kbの染色体DNA断片を得た。塩基配列を決定により2073bpのORFが見い出された。このORFがコードする遺伝子産物には、O-7株のAprIプロテアーゼが最も高い相同性を示した。35kDaのAprI成熟蛋白質とセリンプロテアーゼIのそれに相当する部分の相同性は非常に高く、83%のidentityであった。N-末端とC-末端のプロ配列に相当する領域間ではそれぞれ58,72%のidentityであった。
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