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1999 年度 実績報告書

クロロエチレン類の好気的微生物分解のための高効率バイオリアクターシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 11555222
研究種目

基盤研究(B)

研究機関九州大学

研究代表者

川上 幸衛  九州大学, 工学研究科, 教授 (70091345)

研究分担者 井嶋 博之  九州大学, 工学研究科, 助教授 (10274515)
陶山 明子  東和科学株式会社, 技術部・研究員
古川 謙介  九州大学, 生物資源環境科学研究科, 教授 (90221556)
小野 努  九州大学, 工学研究科, 助手 (30304752)
キーワードトリクロロエチレン / バイオレメディエーション / バイオリアクター / 固定化 / 賦活 / Pseudomonas putida
研究概要

これまでに,Pseudomonas putida KF715-D6株を用いて,W/Oエマルション法で調製したκ-カラギーナンもしくはアガロースのミクロビーズ包括菌体が遊離菌体と同程度かむしろ高いTCE分解活性を与えること,反応培地としては,単なる純水中より,グルコースを含む無機塩培地(BSMG)中の方が固定化菌体のTCE分解活性は高く,安定性(残存活性)にも優ることを見い出している.しかし,実用面においては,TCE汚染地下水に直接反応培地成分やグルコースを添加することはプロセスの複雑化につながり現実的ではない.そこで,水中のTCEの分解とBSMG中での活性の賦活を交互に繰り返す二段階操作が必要となる.本年度は,分解活性および反復使用時の残存活性に及ぼす賦活培地の成分と組成,賦活温度,pH並びに賦活時間などの効果をより詳細に検討し,以下の結果を得た.
1.BSMにグルコースを1mMを添加すると固定化菌体の残存活性が約20%向上したが,それ以上の添加は効果が認められなかった.BSMG賦活培地中の無機塩類のなかでは,第二鉄イオンが残存活性に最も大きな効果を与えた.2.10〜30℃のTCE分解温度にかかわらず,30℃における賦活は,賦活を行わなかった場合より約25%高い残存活性を与えた.3.TCE分解の至適温度は30℃であった.この場合,賦活温度を低下するほど固定化菌体の残存活性は向上した.4℃における賦活は,賦活を行わない場合に較べて1.8倍高い残存活性を与えた.TCEの分解温度が地下水温度に近い15℃以下では,それ以下の賦活温度の効果は小さい.4.TCE分解の至適pHは6.5である.BSMG賦活培地のpHも6.5で最も高い残存活性を与えた.5.賦活時間は6〜12時間で最大の残存活性を与えた.
疎水性の膜型バイオリアクターを用いると,汚染水からのTCE分離とBSMG中での分解を同時に達成でき,前述の反応媒体としてのBSMG使用の利点を生かすことができる.純水中と同様な条件でBSMG中でTCEの分解を行うと,固体化菌体の初期活性は2倍,反復使用後の残存活性は1.5倍向上した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Shimono,S.,他6名: "Degradation of Trichloroethylene by Immobilized Whole Cells of Reconbinant Pseudomonas putida KF715-D6"Proc. APBioChEC'99. (CD-ROM版). (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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