研究概要 |
人類の将来を脅かすものと社会問題になっている内分泌かく乱物による環境汚染状況を広範囲にわたって正確に把握するためには,簡便で高感度な化学計測システムの開発が不可欠である。免疫表面プラズモン化学センサの開発と高感度化,プラズモン計測のモバイル化,システム計測のシーケンシャル化を分析化学的に検討して。新規フィールド機器を創製することを本研究は目的としている。 平成12年度は主として,低分子有機化合物を高感度の測定するためのフィールド調査用パームサイズ表面プラズモン現象(SPR)測定装置の開発を中心に研究を実施した。研究成果の概要は,次ぎの通りである。 1.フィールド調査のためのセンサと測定容器を兼ねるセンサセルの設計と試作を行い,6φ金蒸着カバーガラスとPVC光インターフェース膜を用いて,SPRセンサーを開発した。 2.フィールド調査における操作性を鑑み,SPRセンサをワンタッチでセットすることの出来るセンサホルダーを開発した。 3.光特性のよいLEDとシリンドリカルレンズを用いて,従来法に比べSPR信号を高感度に検出出来る光学系を設計,試作し,パームサイズ高感度SPRチェッカーを開発した。 4.特許を3件出願した。 1)PVC光インターフェース膜(特願2001-015558) 2)センサセルとホルダー(特願2001-015576) 3)高感度SPR装置(特願2001-015567) 5.ピッツバーグカンファレンス(PITTCON2001,2001,March4-9,New Orleans,U.S.A.)において,研究概要を発表した。(Y.Asano et al.,PITTCON2001,Abstracts,1891P)
|