研究課題/領域番号 |
11555229
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
東原 秀和 信州大学, 繊維学部, 教授 (40026141)
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研究分担者 |
中村 美保 信州大学, 繊維学部, 教務員 (00324244)
川崎 晋司 信州大学, 繊維学部, 助手 (40241294)
沖野 不二雄 信州大学, 繊維学部, 助教授 (60214037)
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キーワード | C_<60>薄膜 / フッ化物ドーピング / フラーレンポリマー / フッ素修飾 / 多層カーボンナノチューブ / リチウムイオン貯蔵 |
研究概要 |
1.化学的・物理的手法による価電子帯が制御されたC_<60>、C_<70>の創製 1.1フラーレン薄膜の電解酸化によるフッ化物イオンドーピング フラーレン薄膜(250nm)のフッ化物イオン伝導性電解質溶液(1M-Et_4NF・4HF)中における低電流密度電解酸化(0.1〜1μA/cm^2)によって、フッ化物イオンがドープされ電荷移動錯体C_<60>FおよびC_<60>F_3を作製することができた。 1.2高圧合成法によるフラーレンポリマーの創製と電気化学的リチウムドーピング C_<60>粉末の5GPa、800Kの高圧・高温処理によって生成する菱面体晶ポリマー(rh-C_<60>)は、電解還元によってインターカレーション化合物Li_3(rh-C_<60>)を形成し、層状化合物の新たな二次元ホスト物質であることを明らかにした。さらに、C_<70>粉末の高温高圧処理(12GPa、950K)によって、C_<70>ダイマーが生成することも見出した。リチウムイオンの電気化学的可逆な挿入も確認された。 2.フッ素修飾による多層カーボンナノチューブ(MWNTs)の電子構造と表面細孔構造の制御 鋳型炭素化法によって作製したMWNTsの単体フッ素による表面修飾によって、MWNTs表面のメソ孔(20〜30μm)およびミクロ孔(<2nm)の分布および表面エネルギーをかなり制御できることを明らかにした。このMWNTsは選択的な気体・液体透過性を有している。 3.応用を目指した物性と機能の評価 3.1表面フッ素修飾MWNTsバルクのsp^2混成軌道やエネルギーバンド構造は、そのまま保存されており高い電子伝導性を示す。 3.2表面フッ素修飾MWNTsを正極とするリチウム試験セルによって、表面フッ素修飾により、SEI形成が抑制され、クーロン効率が約90%に向上することを明らかにした。 3.3菱面体晶ポリマ(rh-C_<60>)の価電子帯はC K-V XESスペクトルで見るかぎり、C_<60>のそれと類似しており、新規なホスト物質である。
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