研究概要 |
1. 化学的・物理的手法による価電子帯が制御されたC_<70>の創製、SWNTの表面フツ素修飾、MWNTsのホウ素ドーピング 1.1 C_<70>薄膜(250nm)のフッ化物伝導性電解質溶液(1M-Et_4NF・4HF)中における低電流密度(0.1〜1μA/cm^2)電解酸化によって、フッ化物イオンがドープされた電荷移動錯体C_<70>F_<1-6>の生成を明らかにした。 1.2 F_21atm, 100℃でフッ素化したアーク放電法SWNTsのエタノール中への分散性を、分散液の紫外一可視光吸収スペクトルで調べた結果、フッ素修飾SWNTsは48時間以上安定に分散しておりSWNTsの溶液反応、分離精製等が期待できる結果を得た。 1.3 ホウ素ドーピングによって電子状態が制御されたMWNTsを創製した。 2. 応用を目指した物性と機能評価 2.1 BN粉末を充填したグラファイトのアーク放電で生成するB-dopingでは,可逆容量が著しく増加する可逆容量自体は,180mAh/gと小さいが,クーロン効率は90〜95%と極めて高く安定するのが特徴である。 2.2 MWNTs(外径30nm,内径22nm)は900-3000℃の熱処理で結晶性が著しく向上するが,可逆容量とクーロン効率から評価すると,最適な熱処理温度は1000℃であった。適当な欠陥のあるチューブ構造が電極材料としては優れていることが明らかにされた。 2.3 アーク放電法SWNTs(外径1.4nm, bundlc径8-30nm)の第1サイクルの挿入容量は2500mAh/g,可逆容量は500mAh/g程度であった。低クーロン効率の主因はバンドル構造とチューブ長にあると考えられる。物理的手法でバンドル直径やチューブの長さを最適化することで、大幅な可逆容量の増大が可能であることを明らかにした。
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