研究課題/領域番号 |
11555232
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
遠藤 忠 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30176797)
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研究分担者 |
左合 澄人 (株)ノリタケ・カンパニーリミテド, 開発本部, グループリーダー(研究職)
上田 恭太 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50271862)
滝沢 博胤 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90226960)
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キーワード | 蛍光表示管用材料 / カソードルミネッセンス / 窒化ケイ素 / 低速電子線励起発光体 / 窒化物 / 酸窒化物 / 希土類元素 |
研究概要 |
ZnSや(Zn,Cd)Sを母体材料とする硫化物系発光体が蛍光表示管(VFD)に利用されてきた。しかし、励起源である電子線の衝突時においてこれら蛍光体より硫化物系ガスが放出するため、素子を構成している酸化物フィラメントが汚染される欠点が指摘されてきた。このような理由より、非硫化物系発光体の材料探索が盛んに進められ、酸化物、特にガリウム酸亜鉛(ZnGa_2O_4)にMn^<2+>を付活した発光体が経年変化に対する安定性の点で注目されている。 前年度は非硫化系発光体として、ZnO、Ga_2O_3およびMnCO_3を出発原料としてMn^<2+>を付活したZnGa_2O_4の合成条件を最適化し、カソードルミネッセンス測定装置を用いて低速電子線励起発光体としての可能性を検討した。 本年度は、さらに、β-アルミナ型などの層状ガリウム複酸塩発光体の開発を検討した。1)ZnO、Ga_2O_3、BaCO_3、およびMnCO_3、Eu_2O_3の希土類イオンを出発原料として、Mn^<2+>あるいは希土類イオンを付活したBaZnGa_<10>O_<17>を合成した。2)これらガリウム複酸塩発光体の電気的性質を検討し、さらに、カソードルミネセンス測定の結果より低速電子線励起発光体として利用できることが期待された。 また、非硫化物系発光体として窒化物、酸窒化物発光体についても検討し、1)ReN(Re_2O_3:Re=希土類元素)とSi_3N_4、あるいはZn_3N_2、Mn_4NとSi_3N_4を出発原料として発光体の合成を試み、LaEuSi_2O_2N_3、EuSi_5N_8、とZnSiN_2:Mn^<2+>の三つの発光体を見出した。2)これら三つの試料の吸収端位置を決定し、励起・発光スペクトルと関連づけて発光特性を検討した。3)カソードルミネッセンス測定装置を用いて、低速電子線励起発光体としてEuSi_5N_8が最も優れていることがわかった。
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