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2001 年度 実績報告書

有機酸水溶液中での粘土層間チタニア架橋体の合成と機能材料への応用

研究課題

研究課題/領域番号 11555235
研究機関新潟大学

研究代表者

北山 淑江  新潟大学, 工学部, 教授 (70018472)

研究分担者 木島 嘉之  日揮化学(株), 開発研究所, 研究員
松田 泰宏  日揮化学(株), 企画室, 主任(研究職)
児玉 竜也  新潟大学, 工学部, 助教授 (60272811)
キーワード粘土層間チタニア架橋体 / 環境にやさしい合成 / モンモリロナイト / サポナイト / 合成雲母 / 部分酸化用光触媒 / 有機塩素系残留農薬光用触媒 / 化粧品紫外線遮蔽剤
研究概要

従来、粘土層間チタニア架橋体の合成は、塩酸溶液で行われていたが、塩酸は反応性が高く金属を腐食するため反応容器の材料が制限されたり、周辺装置の腐食が問題となり使用に際しては環境への配慮を行う必要があった。
本研究では、環境にやさしい合成法として腐食性の弱い酢酸を用いて、各種粘土をホストとして、粘土層間チタニア架橋体の合成に成功した。合成した粘土層間チタニア架橋体の機能材料への応用研究の一環として、光触媒作用、紫外線遮蔽剤への応用のための基礎実験を行った結果、次のことが明らかになった。
(1)粘土層間チタニア架橋体は水中の難分解性残留塩素系農薬の完全分解反応用高活性光触媒となることを発見した。従来、難分解性残留塩素系農薬であるHCH(通称BHC)の光分解に対してTiO_2は不活性といわれてきた。本研究で合成した雲母のチタニア架橋体(TiO_2-p ill-Mica)がHCHの光照射によるCO_2とHClへの完全分解に高活性を示し、その原因がTiO_2を疎水性粘土をホストとして粘土架橋体し、HCHの吸着能の向上させたことによることを証明した。
(2)ベンゼンの部分酸化反応に粘土層間チタニア架橋体は触媒作用を示し、そのホストとなる粘土の種類により生成物が異なることがわかった。水の共存下、TiO_2-p ill-MicaおよびTiO_2-p ill Saponite触媒を用いるとマレイン酸が主生成物となり、TiO_2-p ill Monmorilloniteではレゾルシンが生成した。
(3)粘土層間チタニア架橋体は添加される母材を保護する有用な紫外線遮蔽剤として使用できる可能性をもつことが明らかになった。チタニアを紫外線遮蔽剤として用いる場合、添加される母材の光分解による変質が問題となっている。本研究では、粘土層間チタニア架橋体の化粧品への添加を想定し、油脂の基本構造モデルとして分子サイズの異なるカルボン酸の光分解反応を行った。粘土層間TiO_2架橋体のうちTiO_2-p ill Saponiteがカルボン酸に対して最も不活性であることから、紫外線遮蔽剤として適していることがわかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T. Kaneko: "Synthesis of titania pillared mica in aqueous solution of acetic acid"Journal of Porous Materials. 8巻・2号. 107-117 (2001)

  • [文献書誌] T. Kaneko: "Synthesis and Photocatalytic Activity of Titania Pillared Clays"Journal of Porous Materials. 8巻・4号. 295-301 (2001)

  • [文献書誌] K.Shimizu: "Selective oxidation of Liquid Hydrocarbons over Photoirradiated TiO_2-Pillared Clays"Applied Catalysis A : General. 225巻・2号. 185-191 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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