研究課題/領域番号 |
11555241
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
合成化学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小林 修 東京大学, 大学院・薬学・研究科, 教授 (50195781)
|
研究分担者 |
佐用 昇 高砂香料(株), ファイン&アロマケミカル研究所, 副部長(研究職)
山下 恭弘 東京大学, 大学院・薬学・研究科, 助手 (90334341)
眞鍋 敬 東京大学, 大学院・薬学・研究科, 講師 (00251439)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
キーワード | 触媒 / 不斉 / マイクロカプセル / 四酸化オスミウム / ジヒドロキシル化 / パラジウム / アリル化アルキル化 / 鈴木カップリング |
研究概要 |
近年環境問題の深刻化によりあらゆる分野での廃棄物の削減が急務となっている。特に医薬品を含む化学関連産業においては、いかに優れた化成品や反応でも有害廃棄物の排出をともなう場合には使用が困難になりつつある。本研究ではこれまでにこれらの問題の抜本的な解決を目指し、全く新しいタイプの高分子固定化触媒である「マイクロカプセル型高分子固定化触媒」を独自に見いだした。この触媒は容易に回収・再使用可能であり、モノマー触媒に比べて同等あるいは高い活性を示すことを明らかにしている。 本研究においては本触媒の不斉反応への展開・操作性の向上・様々な金属触媒系への適用を検討した。その結果、これまで担体としてABS樹脂を用いることにより「マイクロカプセル化四酸化オスミウム」は不斉ジヒドロキシル化反応に対して有効であることを見いだした。この場合、光学活性アミン存在下、オレフィンのジヒドロキシル化が高い収率及びエナンチオ選択性で進行し、対応するジオールを与える。一方、高分子担体としてフェノキシメトキシメチル基を持つポリスチレンを用いて二相系で不斉ジヒドロキシル化反応を行うと、これまでの均一系不斉ジヒドロキシル化において必要であった基質のslow additionが不要になり、操作性が大幅に向上することを明らかにした。 また、有機合成において非常に頻繁に用いられるパラジウム触媒のマイクロカプセル化を行った。マイクロカプセル化トリフェニルホスフインパラジウム(MC[Pd(PPh_3)])を触媒として用いることにより、アリル位アルキル化反応および鈴木ビニルカップリング反応が高い収率で進行した。反応後に触媒は濾過により回収でき、再使用も可能であった。パラジウム触媒は通常空気中で不安定であるが、本触媒は高分子に固定化されているため空気中でも安定であった。また、NMRによって触媒構造に関する知見を得ることができた。
|