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1999 年度 実績報告書

新規糖ポリマーを担持したキラル固定相の合成と光学分割システムへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 11555244
研究種目

基盤研究(B)

研究機関北海道大学

研究代表者

覚知 豊次  北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (80113538)

研究分担者 横尾 泰日児  宇部興産株式会社, 高分子研究所, 主席研究員
八島 栄次  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50191101)
キーワード光学分割 / 無水糖 / 開環重合 / カチオン重合 / カルバメート誘導体 / グルコピラノース / デキストラン
研究概要

セルロース、アミロースの3,5-ジメチルフェニカルバメート誘導体は高い光学分割能を有し、HPLC用のキラル固定相(CSP)として有用である。また、セルロースやアミロース以外の多糖についてもその光学分割能が報告され、多糖の構造と光学分割能との相関に興味がもたれる。そこで、本研究では高い立体規則性が期待される無水糖の開環重合として1,6-アンヒドロ-β-D-ヘキソピラノースのカチオン重合を行い、得られた多糖をカルバメート誘導体とし、そのCSPとしての光学分割能について明らかにした。
1,6-アンヒドロ-2,3,4-トリ-O-アリル-β-D-グリコピラノース(1)のカチオン重合は溶媒として乾燥塩化メチレン、開始剤としてBF_3・OEt_2を使用し、0℃、窒素雰囲気下で80時間行った。1の重合で得られるポリマーはNMRの構造解析から1,6-α結合でさらに分岐のない立体規則性のデキストラントリアリル誘導体2であった。脱保護はRh錯体を用いたプロペニル基への異性化後、酸により加水分解を行いデキストラン(4)を得た。
光学分割剤への応用は4の3,5-ジメチルフェニルカルバメート化により5を得た。100量体および20量体と分子量の異なる多糖誘導体を用いた分割実験は溶離液としてヘキサン/IPAとし、ラセミ体としてトレガー塩基、ベンザインなどを用いた。4のトリス(3,5-ジメチルフェニルカルバメート)誘導体をCSPとした科学分割では、ベンザインに対し完全分割を示し、その分離係数はα=1.34であった。多糖誘導体の重合度による分割能の差は顕著であり、100量体のCSPの分割係数は何れのラセミ体の場合においても20量体よりも大きい値を示した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T. Kakuchi: "Ring-opening and Ring-forming Polymerization of 1, 2:5, 6:9, 10-Triepoxydecane Leading to Highly Regioselective Polymer Consisting of Octahydrobifuranyl Unit"Macromolecules. 33. 246-247 (2000)

  • [文献書誌] M. Kameda: "Regio- and Stereoselective Cyclopolymerization of 1, 2:5, 6-Dianhydro-allitol and 1, 2:5, 6- Dianhydro-galactitol Leading to A Novel Carbohydrate Polymer of (2→6)-1, 5-anhydro-DL-galactitol"Macromolecules. 32. 5755-5759 (1999)

  • [文献書誌] T. Satoh: "Regio- and Stereoselective Cyclopolymerization of 1, 2:4, 5-Dianhydro-3-O-methyl-xylitol Leading to A Novel Polycarbohydrate of (2→5)-1, 4-Anhydro-3-O-methyl-pentitol"Macromolecular Rapid Communication. 20. 55-58 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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