アセタール骨格を含むジアミンモノマー(ビス(4-アミノフェノキシ)メタン)を合成し、種々のカルボン酸二無水物と反応させポリアミド酸を合成し、このイミド化によりアセタール構造を含む芳香族ポリイミドを合成した。前駆体であるポリアミド酸の固有粘度は最大0.8dL/gとなり、十分な重合度をもつポリマーが合成できた。ポリアミド酸のキャストフィルムを作成し、これを減圧下で加熱処理することで熱イミド化を行い、ポリイミドフィルムを得た。イミド化の進行は赤外吸収スペクトルによる1700cm^<-1>付近のイミド環特有の吸収により確認した。得られたポリイミドのガラス転移点は210-250℃であり、酸無水物の構造により変化した。チッソ中、空気中での10%重量減少温度はそれぞれ440-465、430-495℃であり、高い熱安定性をもつことが確認された。平均線膨張率は50-250℃で最小52ppm/℃であった。 ヘキフルオロイソプロピリデン骨格をもつ酸無水物とのポリマーはアミド系溶媒、THFなどに可溶であり、これを用いて光照射によるパターニングを行った。このポリイミドのg線(436mm)、i線(365mm)に対する透過率はそれぞれ95%、61%であった。光酸発生剤存在下でg線を照射するとポリイミドフィルムのUV-visスペクトルが変化し、150mJ/cm^2でほぼ完全に反応が進行することが確認できた。光酸発生剤を30wt%混合した系ではアルカリ現像によりパターン形成が可能であった。現像後の加熱処理により残存する光酸発生剤を系外に除去することができた。
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