研究課題/領域番号 |
11555249
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
木村 良晴 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (10132276)
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研究分担者 |
小田 耕平 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (50081584)
宮本 真敏 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (70149524)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | ポリエチレンテレフタレート / テレフタル酸 / プラスチック / PET分解菌 / ポリエステル / 微生物分解 |
研究概要 |
本研究年度内に得られた研究成果を以下に示す。 1.PET分解菌のスクリーニングとPET分解菌の分離・同定:PET分解能を有する微生物6株の単離に成功した。この内、強いPET分解作用を示す3菌株を、Trichosporon sp.No.85株、Arthrobacter sp.No.97-2株、Sphingomonas paucimobilis No.77-2株と同定した。 2.Arthrobacter sp.No.97-2株の生産するPET分解酵素の精製:Arthrobacter sp.No.97-2株の培養液から、PET繊維への吸着能を指標に35-kDaタンパク質の精製を行った。このタンパク質のアミノ末端アミノ酸配列の17残基は、鞭毛タンパク質のflagellinと63%の同一性、75%の相同性が認められた。しかし、その比活性は非常に低く、酵素化学的な諸性質を検討するには至らなかった。 3.PET分解活性測定法の開発:PET繊維の「電子顕微鏡観察」と「引っ張り強度」の測定には数日を要し、また、精度も悪い。そこで、これら方法に加え、簡便で、かつ、再現性の良い測定法の開発に着手した。「粘度測定」と「GPC測定」は分子量の差違を、また、「NMRによる分解残渣の解析」と「PET類似化合物の分解挙動」は構造変化を調べることで酵素活性の評価を行うものである。Arthrobacter sp.No.97-2株を用いて、これら4種の測定法について検討し、PET分解活性の測定に有用であることを明らかにした。 以上、計画した研究の大半は、未着手のままとなった。その理由は、本研究の過程で、Arthrobacter sp.No.97-2株のPET分解活性が著しく減少したことである。この原因については、 1.菌株の管理保存が非常に困難で、研究の過程でPET分解活性が大幅に低下したこと、 2.PET分解活性を高精度で、短時間に評価できる方法がないこと、があげられる。
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