研究課題/領域番号 |
11555255
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉川 孝雄 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (00029498)
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研究分担者 |
森本 進治 石川島播磨重工業(株), 技術研究所, 所長(研究者)
安井 利明 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (10263229)
田原 弘一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (20207210)
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キーワード | MPDアークジェット / 電磁加速 / ローレンツカ / プラズマ流 / ムライト / ジルコニア / 窒化チタン / プラズマ溶射 |
研究概要 |
本研究では、直線一広がりノズル型陽極をもつ準定常MPDアークジェット装置の噴出プラズマ流の状態が各種プラズマ診断法を用いて調べられた。作動ガスとしてArとH_2が用いられた。プラズマ輻射光分光法と離電複探針法により電子温度、電子数密度、およびプラズマの流れの方向が見積もられた。 プラズマはガス種、放電電流値にかかわらず、ノズル延長線の内側では下流に向かうにつれて径方向外側に徐々に広がり、特に中心軸付近では、陰極ジェット内ではほとんど軸に平行に流れた。しかしながら、ノズル延長線の外側ではプラズマが半径方向外側に大きく膨張することがわかった。すなわち、プラズマの径方向膨張の角度はノズル延長線の内側では40度(ノズル頂角と同じ)であるが、その外側では40度以上であった。それゆえ、プラズマ流はノズル延長線によって内部流と外部流に区分できる。 深針測定によって見積もられた噴出プラズマ流中の電子温度、電子密度は共にガス種、放電電流値に依存せず、同じ下流方向位置では径方向外側に向けて小さくなった。それらは半径50mm以内(半径位置0、50mm)では下流方向に単調に減少していくが、半径位置100、150mmでは軸方向位置200-250mm付近で最大値をもつことがわかった。このピークは内部流と外部流の境界近くに存在し、すなわち広がりノズルの影響が強く現れている。こうして、内部流内では広がりノズルに沿ったスムーズなプラズマ膨張がなされ、その熱エネルギーが運動エネルギーにスムーズに変換されていくので、電子温度・密度は下流方向に低下していくと推定される。一方、外部流内では径方向外側への激しい膨張が起こるが、軸方向位置を固定して考えたとき内部流・外部流境界の外側では径方向外側への極度の電子温度・密度の低下が起こり、その低下は境界からの離れるにつれて激しくなると推測される。
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