研究課題/領域番号 |
11556001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐野 芳雄 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (70109528)
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研究分担者 |
三上 哲夫 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50133715)
犬飼 剛 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (90223239)
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キーワード | 分子情報 / 食味 / 安定化 / アミロース / モチ遺伝子 / 突然変異 / 組換え |
研究概要 |
本年度はコメの良食味安定化を図る目的で、アミロース合性酵素をコードするもち遺伝子発現の温度反応性に注目し、1)座内組換えを利用したシス因子の多様化、2)突然変異によるトランス因子の多様化について実験を進めた。 1)まず、もち遺伝子座内組換え頻度とDNA物理的地図との関連を調査したところ、蛋白コード領域の両端の距離は約0.13cMであった。この組換え頻度は、もち遺伝子近傍領域と比較して約10倍高かった。したがって、ヘテロアレーレの個体から復帰組換え体はかなりの頻度で得ることができる。現在までに得られた、外国産と日本産品種間雑種で得られた復帰変異を調査したところ、残念ながら、いずれも日本産品種のプロモーターを保持しており、予測通りその発現はWx^b型で温度反応性を示した。現在、外国産品種のプロモーターをもつ復帰変異を作出を急いでいる。 2)イネの低アミロース含量変異体の一つは、胚乳表現型が低温下(約20℃)で糯様から粳様に変化する。この変化はもち遺伝子発現の温度反応に起因しているので、変異体種子にEMS処理を行い温度に反応しない突然変異の誘発を行った。処理後代を低温下で栽培したところ、大半の個体では温度に反応して糯様から粳様に変化した。500個体中、糯様のまま変化が見られないものが1個体見いだされた。その後代について、温度反応性を制御環境下において検討した。ウエスタンブロッティングおよびアミロース含量の結果から、この変異体は温度非反応性をもつと考えられた。温度非反応性遺伝子は、低温によっても食味の悪化を防ぎ食味の安定化を図る上に育種的利用が可能になると思われる。
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